統合と解釈とは?考察との違いと実習レポートの書き方

2018年9月3日

北海道では冬休みが終わりました。

通勤電車が込んできたため、座れなくなってしまった皆様、おはようございます。

さて、統合と解釈と聞くと、学生時代に苦労したレポートが思い浮かびますね。

もしかしたら、未だに苦手意識を持っている方もいるかもしれません。

そこで今日は、統合と解釈について、その役割や書き方、考察との違いなど、私見を踏まえて説明してみたいと思います。

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統合と解釈の書き方

統合と解釈とは

統合と解釈では、以下の作業をします。

 ① 2つ以上の情報を組み合わせる

 ② 何が判断できるのかを吟味する

よって、取り掛かる前には、問診や理学療法評価で、必要な情報を集めておく必要があります。

その情報をもとに、

 実施しよう!

 中止するべきだ!

などの決定をしていくことになります。

実習レポートでいえば、今後の展開を左右する、大切な分岐点にあたりますね。

統合と解釈の役割

実習レポートに統合と解釈が入る理由は、検査結果から安易な判断をさせないためです。

肩関節屈曲のROMが170°だった
だから問題だ!(参考可動域は180°)

MMTで腸腰筋の結果が4だった
だから問題だ!(ノーマルの判定は5)

このように、たった1つの検査結果から、患者さんの問題点を断定してはいけません。

これでは全ての人が「問題あり!」と判断されてしまいます。

統合と解釈では、検査結果を基準と照らし合わせるだけではなく、その他の情報も加味して、慎重に判断する場所になります。。

 この数値は問題になるの?

 それとも許容範囲なの?

このような解釈を進め、問題点を選定していく、これが統合と解釈の役割になります。

考察との違い

統合と解釈と考察が、同じような内容になることは絶対にありません。

まず書き方を見てみましょう。

統合と解釈の場合、文の終わりは、

「~だと判明した」になります。

考察の場合では、

「~であると考える」に変わります。

文の終わり方からも判るように、統合と解釈には自分の考えが入らないのですね。

では例を挙げてみます。

<情報>

 ① ケーキは2つしかない

 ② 食べたいという子供は3人いる

情報からは「ケーキが1つ足りない」という問題があることが判明しました。

この中に自分の考えは入っていません。事実を並べる作業により判明したことです。

これが統合と解釈になります!

そこに情報が足されました

<情報>

 ① ケーキは2つしかない

 ② 食べたいという子供は3人いる

 ③ すでに1個食べた子がいる

こうなると話が変わってきます。

問題点は「欲張りな子が1人いる」という、全く違うものに変わります。

このように、情報を足したり、引いたりすることで、問題点は180°変わっていきます。

統合と解釈の役目はここまでです。

だから、

 もう一個買ってくるか?

 三等分できないかな?

 1人に我慢させよう!

このようように、自分の考えを入れてしまうのは、もっと後の話なのですね。

まずは統合と解釈で事務的に組み立てて、問題点を明確化するだけでOK!

その問題に対して、自分の考えを展開していく考察とは、根本的に違うのです。

とはいっても、最初は想像などが入ってきちゃうと思います。徐々に慣れていき、判明したことをPick upするだけの作業場にしましょう。

考察についてはこちらをご参照下さい。

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実習レポートの進め方

個人的な意見ですが、実習レポートを作成する時に、統合と解釈でビシっ!と決まれば、もう合格は目の前に来ていると思います。

ではその理由を、例を出しながら説明していきますね。

問題点やプログラムにつなげる

さきほども書きましたが、低下や制限をすぐに問題点にしてはいけません。

本当に機能に問題があるのかを、確認しなくてはいけないのですね。

それでは、姿勢と筋力の関係で例を出します。

情報1:立位姿勢で右へ傾く

情報2:右下肢の筋力が低下している

この2つを統合だけすると、

「下肢の筋力低下で姿勢が崩れている」

になるのかもしれません。

では、もう少し情報を足してみましょう。

情報1:立位姿勢で右へ傾く

情報2:右下肢の筋力が低下している

情報3:座位姿勢も右へ傾いている

この3つを統合し、さらに解釈すると、

「下肢の筋力低下と立位姿勢は無関係」

ということが判明します。

なぜなら、下肢の影響がない座位でも、同じように傾いているのですから、筋力があろうがなかろうが無関係だからです。

もしも「座位姿勢でも傾いている」という情報であれば、やっぱり筋力低下が関係していたという裏付けになります。

この確認作業を「検証」と呼びます。

このように、しっかりと統合と解釈を進めていけば、必ず正しい問題点に結び付き、かつ解決方法にたどり着ける可能性が上がります。

問題点やリハプログラム、ゴール設定が曖昧になる場合、統合と解釈がうまく仕上がっていないのかもしれませんね。

患者さんの背景を重要視する

実習などでは、患者さんの機能面に着目してしまい、視野が狭くなりがちです。

そうならないためにも、患者さんの背景も統合と解釈に混ぜ込んでみましょう。

主訴やHOPE

手指の巧緻性が低下している人がいます。

現在は専業主婦。

箸や包丁の操作は、気を付ければ問題なく行えています。

字を書く速度は、少し落ちているが、本人はあまり気にしていないそうです。

こうなると、手指の巧緻性の低下って、生活する上の問題点には挙がらないかもしれません。

そこに本人のHOPEを追加してみましょう。

どうやら「職場への復帰」だそうです。

なるほど、ではカルテから、以前の職業が何だったのかを確認してみましょう。 

 前職=ピアニスト

あらら…、

この1つが混ざると「手指巧緻性低下」が、一気に問題点の1位になりますね。

反対に「職場復帰は考えていない」という情報があれば、問題点にはならない可能性が高くなります。

情報といっても、バイタルサイン、職業歴、姿勢や動作、既往歴や転倒歴など、無限にあります。

何を組み合わせるのかは、セラピスト次第ということになりますね。

おわりに

ここまで読んで頂きありがとうございます。

どうです?

統合と解釈は難しかったですか?

考察と混ざってしまうのであれば、

 自分の考えは入らない!

これだけ覚えて下さい。

これを機に、統合と解釈に対する苦手意識が、少しでも薄れたのであれば幸いです。

それでは今日はこの辺りで、アドュー!

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