リハビリの問題点抽出!それ本当に患者さんのためになってる?

2018年9月3日

日々臨床において、患者さんの問題点を親身に考えておられる皆様こんばんは。

人が人に対し「あなたのここが問題です!」なんて、ちょっと気が引けてしまいますよね。

でも仕事なので仕方ありません。

だったらせめて根拠のある評価を行い、

 これらの問題点は解決できる!

 直すためにリハプログラムを作る!

と言い切って欲しいと思います。

そこで今日は、セラピストが挙げる問題点が、本当に患者さんのためになっているのか?

こんなお話をしてみたいと思います。

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問題点抽出の問題点

実習中のサマリーやレポートを作成するときに、初めて問題点抽出という言葉を知った人もいるのではないでしょうか。

あまり教わる機会もないため、

 とにかく多く挙げなければ

 機能面や活動面に分類しなくては

といった風潮になっているような気がします。

きっと問題点をたくさん羅列することで、

「私はあなたの事を把握していますよ」

そんな気になっているのでしょう。

でも実際は人の事なんて、そんなに理解できる訳ないんですよね。

そのことを前提に、問題点抽出のデメリットについて説明します。

問題点を指摘されたら?

人間だれしも1つや2つは、身体的なコンプレックスや特徴があるかと思います。

私にも「あれ?他人と違うんじゃね?」と思う点はあります。

実は股関節の内旋が、たったの5度くらいしか動きません。

もし誰かがゴニオメーターをあてて、

「股関節内旋の可動域低下」

と問題視したのであれば、

大きい声で「ほっとけ!」と言います。

実際に生活に困っていないよ!

そして股関節が内旋しないことは、あなたより私の方がよく知ってるよ!となるからです。

まさかとは思いますが、ドヤ顔をしながら、患者さんにこんなことを言ってませんか?

痛みが問題点ですね(骨折をした人に)

問題点は麻痺ですよ(片麻痺患者さんに)

失調がありますね(脊髄小脳変性症の人に)

どれもこれも、患者さんが一番理解しているでしょう。

こんな感じで、誰も得しない問題点抽出をしていませんか?

患者さんに「なるほど!そこが問題なのか!」と、納得してもらえなければ意味がありません。

今挙げた問題点、本当に患者さんのためになっていますか?

もう一度吟味してみましょう!

無理やり問題点作ってない?

大腿骨頸部骨折により、人工股関節置換術を施行される症例は多くいらっしゃいます。

このようなケースの評価で、

「術創部の痛み」

「炎症反応」

などを問題点に挙げる方がいます。

これって本当に問題点でしょうか?

術創部に痛みがあるから、動かずにじっとしてくれます。動作だって痛い所を庇いながら、愛護的に動かしてくれます。

痛みを感じない!といって、ガシガシ歩かれては困りますもんね。

これって良いことなんじゃないですか?

なにより切ったのは病院側です。

患者さんにしてみれば、体を切られたにも関わらず、それが問題だと言われいるのですから、まさに踏んだり蹴ったり状態です。

そして手術ともなれば、当然身体は治すための炎症反応を起こします。もしも炎症反応が起きなければ、それこそ大問題ですね。

正常な生理的反応が身体に起きているにも関わらず、問題視されるのっておかしいですよね。

順調に回復しているのであれば「問題点なし」で良いかと思います。

もしも骨折の起因が、バランス不良による転倒で、再転倒の危険がさらに高まった!とか、生活様式が完全和式で、今の家では人工関節に不向きだ!

こんな問題点を挙げるのであれば、対処方法を検討する余地があると思います。

しかし無い袖は振れません!

無理やり絞り出すのは控えましょう。

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治る?治らない?

ALS(筋委縮性側索硬化症)の人に、筋力低下を指摘してもどうにもなりません。

また切断している腕を問題点に挙げても仕方ありません。

そして問題点のベスト1である「筋力低下」ですが、高齢者が筋力がUPするためには2~3ヵ月掛かります。

もしも入院予定が1ヵ月であるならば、達成させられる気がしません。

よって私は、自分のセラピーで改善させられないであろう問題点に、挙げる価値を見出せません。

問題点だけ挙げて「あとはシラネ!」では無責任過ぎるからです。

もちろん他職種と協力すれば、解決の糸口が見つかることもあります。最大限の関わりをしているつもりですが、非現実的なものは問題点から抜くようにしています。

もしあなたのセラピーで、筋力低下を改善させられるのなら「筋力低下」を問題点に挙げましょう!

もしも腕を生やしてあげられるのなら、自信をもって「上肢の切断」を問題点に挙げましょう!

決して問題点の挙げ逃げ、プログラムやゴールの立て逃げは許しません!

評価の時点で回復の余地があるのか、代償動作や装具で対応可能なのか、はたまた改善は望めないのか、しっかりと把握して、患者さんにとってメリットのある問題点抽出に努めて下さい。

ゴールに結びつかないものは除外しましょう!

問題点の書き方について

まとまらない原因

実習中のレポートなどで、問題点を20個も30個も挙げてくれる方がいます。

問題点がまとまらず、ひたすら多く挙げるということは、目的を見失っている可能性が高いです。

そんな時は、理学療法評価の結果を見直して、統合と解釈からやり直してみましょう。

統合と解釈の方法はこちらから

ちゃんとした統合と解釈をしていけば、問題点が勝手に膨れ上がることは絶対にありません!

挙げた問題点の1つひとつに理由があるはずです!しっかりと根拠を示せるよう努めましょう!

記載方法の注意点

よく記載される記号に

 シャープ♯  フラット♭ があります。

シャープがネガティブ因子で、フラットがポジティブ因子だそうです。

実はシャープ♯によく似た記号に

 ナンバーがあります。

試しに「なんばー」で変換してみて下さい。

♯と#では、線の角度や長さが微妙に違うんですけどね…。

きっと誰かが間違ってシャープで書き、それが定着してしたのでしょう。そして誰かが反対の意味を持つフラットを被せたのでしょう。

シャープは半音上げ、フラットは半音下げる音符です。

問題点と全く関係ありません。

学会発表などで、自信満々に「シャープ1は」と発声されると、すんげー微妙な空気が流れるので気を付けましょう。

皆さんも金輪際、問題点にシャープとフラットを使うのは止めましょう。

そこんとこよろしく!

それでは今日はこの辺りで、アドュー!

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