歩行分析が苦手な人の共通点!難しく考えてしまう原因とは

2018年8月23日

患者さんの後ろを追いかけ、背後霊のように歩行分析を進めている皆様、こんばんは。

歩行分析って、たくさんの本を読んでも、いざ患者さんの歩行を観察すると、何も思い浮かばなくなりませんか?

そこから、どうしても先に進めない…、という方はいませんか?

きっと、その悩みは、主観や想像から進めた部分が、噛み合わなくなっているんだと思います。

そこで今回は、歩行分析で、少しずつでも前進できるようなお話をしていきたいと思います。

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歩行分析について

難しい挑戦であること

歩行は、矢状面、前額面、水平面において、姿勢や荷重の位置、支持基底面などが瞬間的に変化する、高度な動作です。

その歩行を吟味することで、身体の状態や、機能のレベルなどを評価することが可能です。

はっきり言って、観察だけで、歩行を分析することは不可能です。

もし、皆さんの周囲で、患者さんの歩行を観ただけで、あーだこーだ語っている人がいるのならば、

それは  神!

もしくは、「歩行分析ごっこ」をしているかの、どちらかでしょう。

よって、

 「歩行分析が苦手だよ…」

 「一生できないんじゃね?」

と思っている人は、元々、不可能なことをやろうとしているだけなので、安心して下さい。

歩行分析は最初が肝心

まずは、観たこと、確認したこと、感じたことがあれば、その場で確認しましょう。

これらの事実だけを並べる練習から始めてみてはいかがでしょうか?

でも動作分析では、この「事実だけ」というのが中々難しいのですが…。

歩行分析に限らず、全ての分析作業においては、まず現象を見つけるという工程から入ります。

授業などで、クラスメイトの歩行を分析しようとしても、中々進まなかった経験ありませんか?無理に問題点を見つけようと、強引な観察をしてしまった人もいるかと思います。

しかし、関節運動や荷重移動量の左右差や、跛行やふらつきなどの現象が出ていないものに対しては、分析なんてできませんよ。

ですので、歩行分析では、自分が知りたいものである「現象」を最初に探しましょう。

現象について

例えば先輩に1万円札を渡されて、飲み物買って来い!とだけ言われたとします。

現時点での情報は、「飲み物」というだけで、本数、種類、熱いの冷たいの、アルコールなのか分かりません。

いきなり歩行分析を開始してしまう人は、この時点でコンビニに向かうくらい無謀なことをしていることになります。

そして1万円分買おうか、バラエティに色々種類を混ぜるか、2ℓペットボトルで買うのか…

いやいや、選択肢が多すぎるので、まるで正解にたどり着ける気がしませんよね。

ここでいう現象とは「先輩に冷たい缶コーヒーを飲ませるために、コンビニに買いに行く」くらいの具体的なモノになります。 

そのためには、もう少し、情報を集めてからコンビニに向かう必要がありますね。

  ・何がいいですか?

  ・何本買ってきますか?

  ・ホットですか?アイスですか?

  ・お釣りは頂いていいですか?

この場合、相手から聞き出すことが出来るので、現象(使いパシリ)を簡単に捉えられます。よってその後の動作分析(使いパシリ)が簡単に進められるようになりました。

要するに目的と進め方が分かっているので、あとは行動だけということになります。この状態になるまで、歩行分析を開始するのは我慢しましょう。

歩行を観察して「現象」が見つからない、分からないまま無理に分析を進めると、きっと想像や憶測で進めることになり、その結果手詰まりになります。

一旦落ち着いて、現象が見つかるまで情報を集め続けましょう。

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現象は事実からなる

例えば、歩行中に「右肩が下がっている」というのが現象かと聞かれれば、まだ現象ではないと答えます。

左肩が挙がっているかもしれないし、体幹が右に傾いているかもしれないし、脚長差があるかもしれないので、

たまたま右肩が、

「下がっているようにみえる人がいた」

だけの話の、まだ、事実確認をしていない段階だからです。

まずは、「かもしれない」を徹底的に排除していきましょう。

仮にこの時点で先輩や上司に「あの人左肩が挙がってるね」と言われたら、「いや右肩が下がってるんですよ!」と胸を張って言えるでしょうか?

ここは焦らずに事実を確認する作業に時間を掛けてみましょう。

 四肢長を測る=脚長差なし

 歩行中に骨盤を触診=左右差なし

仮に、このような事実が確認できた場合、上半身だけに現象が出現していることが判ります。

続いて、両肩甲骨下角はいずれもTh7で左右差はなかった。これにより肩甲骨の高さは関係ないことも判りました。

最後に、脊柱のアライメントを確認したところ、左凸の湾曲を呈していた。

ここまで事実を並べることで「体幹の側屈」により右肩が下がっているような歩容になってしまうことが現象になります。

このように、事実だけを1つずつ積み重ねていけば、難しい歩行分析も、少しずつ前進します。

まずは「現象」を絞る作業により、自分が分析すべきターゲットを確認しましょう。

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どの歩行周期で出現?

歩行を観察している中で、自分がなんとなく「普通と違う!」と浮かび上がった直感も、落ち着いて1つずつ整理していけば、必ず現象に辿り着けます。

 ① 左側か右側か

 ② 遊脚期か立脚期か

 ③ 初期か中期か後期か

まずこの3つを納得いくまで考えましょう。慣れていない人は捻挫後の跛行を観ても、どっちの足をかばっているか分からないわけです。ここは焦らずゆっくり①~③を考えてみましょう。

右の 遊脚 初期で、
「つま先を引きずる」

左の 立脚 中期で
「左股関節が過内転する」

左右の 立脚 初期で
「踵接地が出来ない」

全歩行周期で
「体幹前屈位になってしまう」

部分的や瞬間的な現象なのか、持続的な現象なのかが分かるよう、どの歩行周期でおこっているのか明確にしておきましょう。

歩行開始の姿勢を確認

歩行分析のみならず、動作分析の第1相はスタートポジションとなります。

歩行なら立位姿勢、立ち上がりなら坐位・端坐位、寝返り、起き上がりなら背臥位・側臥位となります。

先ほどの例のように、歩行中に体幹が右側屈して傾いているといった現象を説明する場合、開始の時点で既に側屈しているのか、歩き出しと同時に側屈するのか、歩いていると徐々に側屈していくのかでは全く違う現象になります。

よって、歩行分析の前に、開始姿勢、終了肢位を、しっかり観察しておき、分析の材料にしちゃいましょう!

おわりに

冒頭にも書きましたが、はっきり言って、歩行分析なんて完璧に出来るワケありません。

私自身も実習に来ている学生や後輩に対し「歩行分析はできているつもり」と伝えております。

だから、1つだけ自分に課したルールがありまして、それが「事実だけを述べる」ことなのです。

歩行分析で途中で止まってしまう方、自分が歩行から得た情報のどれが事実で、どれが想像か、分けてみましょう。

事実しかなければ、歩行分析は着々と前進していますので安心して下さい。

そうじゃない方は、想像を排除した歩行分析の進め方を、1度試して頂ければと思います。

それでは皆さんが、しっかりとジュースを買いに行ける立派なパシリになれますように!

 今日はこの辺りで、アドュー!

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