支持基底面と安定性限界!バランス能力が最大になる条件

2018年6月26日

患者さんのバランス能力について、日々、評価されている、セラピストの皆様、こんばんは。

座学で身に着けた運動学って、臨床に活かせてますか?

何となくですが、使いこなせてない方が、多いような印象があります。

そこで今日は、姿勢分析や動作分析、バランスの評価にも必要になってくる、安定性限界と支持基底面に隠されている、秘密の関係性について、お伝えしたいと思います。

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支持基底面と安定性限界

支持基底面が広い=安定性限界も広い

実は、必ずしも当てはまるわけではありません。

では簡単に、用語の解説からしていきましょう。

支持基底面とは

床面や座面など、身体を支えている部分の、外周の総面積を、支持基底面と呼びます。

立位であれば、両足部の外周になります。

この面積が広ければ広いほど、安定した姿勢になります。また、身体重心を床面に投射すると、この中に納まるのも特徴的です。

安定性限界とは

支持基底面の中であれば、無限に重心が移動できる、という訳ではありません。

踏ん張る足の筋力、杖を支える力によっては、重心移動できる許容範囲が変わってきます。

目には見えませんが、その姿勢を保持している際、重心を移動しても、バランスを崩さない範囲が、安定性限界になります。

よって、同じ姿勢でも、安定性限界が広くて、かつ有効に活用できている人は、バランスが良いといえます。反対に、すぐにバランスを崩してしまう人は、安定性限界が狭いことになります。

バランスが良くなる条件

今、説明した通り、支持基底面と安定性限界は、バランスに大きく関わっている重要因子です。

それでは、安定性限界を最大限に引き出す、支持基底面の条件について、説明していきます。

外周面積が広い

これは簡単ですね。

習ったことが無くても、足を横に広げれば、それだけで安定します。

皆さんも、電車やバスなんかでは、無意識にそうしているはずです。

杖や歩行器を使用すれば、当然、縦にも横にも広がります。座位であれば、イスの脚、ベッドの脚なども、支持基底面になりますので、環境によって変化するということです。

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対称性である

外周面積がすごく広くても、左右が非対称であれば、弱点が生まれてしまいます。

支持基底面が左右対称であれば、重心移動は全ての方向に、満遍なく可能となります。

バランス訓練では、あえて左右非対称にして、外した重心を戻すような練習をします。

また、片麻痺患者さんのように、麻痺側の安定性限界を広げるため、非麻痺側に負担が掛かるような、支持基底面を作ることもあります。

多角形である

実は、支持基底面の、一辺の長さも重要です。

できれば、多くの頂点がある形が理想です。

三輪車と四輪車では、外力に対する強度が違います。一辺が長い三角形であれば、小さい外力であったとしても、支持基底面の中心から、重心が外れやすくなります。

反対に、一辺が短い多角形であれば、あらゆる方向への外力にも、対応できます。

広い面積を持ち、左右対称であったとしても、弱点があるのであれば、安定性限界は狭小化してしまうのですね。

安定と運動の関係性

さて、バランス能力を引き出すための、安定する支持基底面の条件は説明しました。

しかし「安定することは良いこと!」とは、単純に言い切れません。

なぜなら、安定性とは、動きやすさを犠牲にするものだからです。安定と運動は、まさに反比例しているといえます。

支持基底面や安定性限界は、狭いほど、動きやすさにつながります。さらに、重心が高い場合、接地箇所が少ない場合も、安定性を失わせる要因になります。

姿勢から運動に移行する時、必ず最初に不安定を作る準備があります。

立ち上がりであれば、浅く腰掛けたり、足を後ろに引いたりして、わざわざ不安定を作ります。

歩き始めも、一側へ荷重して、安定性限界のギリギリまで重心を外し、反対側の足を挙げます。

このような視点で、姿勢や動作を観察できると、つまらない運動学も、楽しく勉強できると思いますよ!

おわりに

重心や安定性限界は、目には映らないので、評価であーだこーだ言っても、本当に合っているのかは解明できません。

よって、姿勢や動作を分析するのであれば、支持基底面の形を変えてみたり、荷重する場所を変えてみたり、試行錯誤する必要があります。

自分が操作したことに対する、患者さんの反応を観察しながら、安定性限界やバンランス能力を、少しずつ紐づけしていって下さい。

地道な作業ですが、とても難しいことをやるのですから、当然といえます。

特に運動学は、目の前にいる患者さんから、学ばせて頂く!という気持ちの方が、勉強になると思います。

たくさんチャレンジして、ぜひ慣れていって欲しいと思います。

それでは今日はこの辺りで、アドュー!

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