理学療法と作業療法!2つの違いって何ですか?

2018年8月31日

4月から理学療法士として、また作業療法士として新しいスタートを切るという新卒の皆様こんにちは。

国家試験から約1ヵ月。友人との別れや、新しい生活の用意、色々と忙しかったので臨床に出る準備がまだ…、という方は多いのではないでしょうか。

実習とは違い、いきなり責任感が伴う仕事を任されることもあるかと思いますが、是非頑張って頂きたいと思います。

さて、今日は根本的な事、

PTOTって何が違うの?」

ふと思う事があったので、これをテーマに私見を述べてみたいと思います。

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手のリハビリと足のリハビリ

入職する皆さんと一緒で、入院する患者さん達も多くの不安を抱えています。

特に生まれて初めて受けるリハビリに対し、

「どんなことをするの?」

と不安になる方もいるため、看護師さん達も事前のオリエンテーションなどでリハビリについて説明してくれます。

そして車イスを押しながら患者さんとやって来た看護師さんがひと言、

「ここは足のリハビリです!」

ほほーう…。

もう1人別の患者さんがPT室に連れてこられました。

「ここは歩くリハビリなんです」

むむむっ…。

確かに「ここは理学療法室です!」と説明されても、なんのこっちゃ分からないでしょう。

きっと看護師さん達は、患者さんを思って分かりやすい言葉を選んだのだと思います。

恐らく作業療法室の近くでは、

「ここは手のリハビリです!」

「物を作ったりしますよ!」

きっとこんな説明がされているんだろうなって思います。

もしも患者さんから、こっちのリハビリとあっちのリハビリって何が違うの?と説明を求められた時、皆さんはきっちり説明出来ますか?

やはり他職種の方と同じような説明になってしまいますか?

PTとOT、お互いに実習中の見学程度でしか知らない間柄。

これから一緒にチームとして働くのであれば、きっちりと濃い線引きが出来るようにしておく必要がありますね。

せっかく苦労して得た理学療法士免許・作業療法士免許ですので、周囲の人からどっちも一緒だろ?と思われないよう、整理して考えてみましょう。

2つの違いは?

ネットでPTとOTの違いを調べると色々出てきますが、どのような説明が多いのか、ちょっと見てみましょう。

養成校のHP

理学療法士と作業療法士を育てる大学や専門学校では、入学希望者である高校生や大学生、または新しい道を考え出した社会人に向け、とても充実したホームページが用意されております。

ここでの内容はまったく未経験だという方に、

 理学療法士学科

 作業療法士学科

それぞれの魅力を伝えることで、入学を促すための説明文になっていることが多いです。

私が見た説明文の中では、

 理学療法=身体を専門にして

 作業療法=身体と心の両面から

といったものが多いように感じました。

分かりやすさに特化しているためか、少し勘違いされやすい印象があります。

捻くれた解釈をすれば、

 理学療法は身体だけしか見ない

 作業療法はどっちも出来る

とも取れます。

なぜこのような表現が多いのかというと、作業療法士の就職先には精神科や小児科などがあるのに対し、この分野においては理学療法士の募集は、滅多にないことが考えられます。

もちろん精神分野への実習や、それらに関する科目を多く履修されていることもあり、

作業療法=心身を共にサポート

といった説明になってしまうのかなと思います。

ん~、個人的な意見を言わせて頂けると、理学療法の訓練だからといって心理面や精神面を無視することは絶対にありません。

そして作業療法士の方が心理面の評価が強い、訓練に取り入れるのが上手いのかもしれませんが、それほど差を感じたこともありません。

2つの職種に様々な差はあれど、この部分に違いがあってはいけないと思いますので、ひと言だけ添えさせて頂きました。

理学及び作業療法士法では?

それでは次は法律の面からみてみましょう。

法律のターゲットは既に有資格者の理学療法士と作業療法士になります。

ここでは全体の決まりである総則から定義の部分だけを抜き取ってみましょう!

○理学療法士及び作業療法士法(昭和四十年六月二十九日法律第百三十七号)
第一章 総則(この法律の目的)

<定義>
第二条 この法律で「理学療法」とは、身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マツサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。

2 この法律で「作業療法」とは、身体又は精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行なわせることをいう。

PT・OT法 厚生労働省より抜粋

このようにターゲットの違いが明記されているため、

 PT=基本動作

 OT=応用動作

同じ療法士としても役割が分かれていて分かりやすいかと思います。

よって患者さんや他職種に方に説明するのであれば、まずはこの部分を理解する必要があると言えます。

あとは、それを自分の言葉で簡単に伝えられば良いということですね。

基本動作とは?

まずは基本動作を移動という言葉で考えてみましょう。

 朝、目が覚めてからの行動

  ⇒ 寝ている(姿勢)

  ⇒ 寝返る(動作)

  ⇒ 横向きで寝る(姿勢)

  ⇒ 起き上がる(動作)

  ⇒ 座っている(姿勢)

  ⇒ 立ち上がる(動作)

  ⇒ 立っている(姿勢)

  ⇒ 歩き出す(動作)

このように移動というのは、姿勢とそれを変化させる動作で構成されております。

その他にも膝立ち位、四つ這いや階段昇降なども入りますが、基本動作を考える時には、移動という運動をベースに考えるとイメージしやすいのかと思います。

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応用動作とは?

上記した基本動作を軸に上肢の参加が必要な動作を指します。

更衣動作、食事動作、整容動作、その他トイレや入浴時の細かな動きも応用動作に分類されます。

例えば冷蔵庫から物を出すという作業をするのであれば、

 冷蔵庫までの移動(基本動作)

 立ちながらドアを開ける(基本+応用動作)

 ターゲットの物を取る(応用動作)

このように基本動作にプラスアルファされる部分が応用動作にあたります。

よって作業療法士さんに担当して頂きたいのは、

 物を手に持ち運ぶ

 欲しい物を選定する

 一度に全部持たずに分けて運ぶ

などの動作の質実用性の部分になります。

歯を磨くにしたって、座りながら、立ちながらの基本動作が付いてきちゃいます。

よってこの2つは切っても切れない関係ということになりますね。

ADLにおいての役割

基本動作と応用動作の特徴が分かって頂けたところで、

 日常生活動作(activities of daily living)

についてお話していきたいと思います。

ADLとは基本動作、応用動作、これらを患者さんの生活に当てはめた時、初めて生まれるものになります。

理学療法室でセラバンドを使って筋トレしている、作業療法室でアクリルコーンを操作している、これらはADLの何かを目指した機能訓練だとは思いますが、直接ADLとは呼びませんね。

よって理学療法士が行う評価と、作業療法士が行う評価は、患者さんの生活を知ることから始まります。

料理をする!といっても、

 献立を考える

 買い出しに行く

 台所で立って野菜を切る

 残った食材を管理する

患者さんによっては必要だったり、不要だったりと差があります。またADLといっても趣味の範囲だったり生命に関わるレベルだったり様々です。

患者さんのADLについて考える時は、その方に求められるレベルを考えていけると、基本動作、応用動作の必要性(役割)が見えてくるのではないでしょうか。

アプローチ方法は一緒!

移動(動作や姿勢)はPTがやるから、その他はOTがやって!

こんなイメージを持たれるかもしれませんが、そのような単純なケースはありません。

同じ患者を担当したとしてもPT~OT間で考え方も違うし、経験年数によるスキルも違います。

ここまではやるから後はシラネ!

これではチームアプローチとはいえません。

よってPTはもっと応用動作に、OTはもっと基本動作に、興味を持ちガンガン入っていくべきだと思います。

それじゃPTとOTって一体何が違うのよ!という疑問が生まれてきます。

ん~、個人的には2つの差は患者さんを観る方向立ち位置が違うのかなと思います。

スタートは違えど目指す所は必ず一緒でなければいけません!

もしもPTが早く到達したのであれば、応用動作にも手を出すべきだし、逆もまた然りです。

基本動作は評価出来るけど応用動作はできない!

これは絶対にありえません!

もしもこのような人がいるのであれば、きっと基本動作すら評価出来ない人です。

訓練メニューや使う道具などに違いはあるかもしれませんが、どちらも患者さんのADLやQOLに寄り添う意味では、理学療法士と作業療法士に差はないのだと、私は思っています。

おわりに

んじゃ、2つの違いを聞かれた時、他職種や患者さんに何て言えばいいの?

うん、

 PTは足のリハビリ

 OTは手のリハビリ

 STは声のリハビリ

これでいいんじゃないでしょうか?

だって分かりやすいんですもん、1番伝わるし皆が納得してくれるし…。

だけど本気でそう思ってはダメです!

自分自身が、

私は理学療法士!

私は作業療法士!

と役割を理解し胸を張って言えるのであれば、きっと徐々に理解されていくことだと思います。

4月からPT・OTになられた方、是非自分の職種に自信を持って頑張って頂きたいと思います!

それでは今日はこの辺りで、アドュー!

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