PTの国家試験に向けた勉強!多発性硬化症ってどんな病気?

2018年9月3日

PT・OTを目指し、国家試験勉強、真っ只中だという学生の皆様、こんばんは。

本日は、国家試験に向けて、

 多発性硬化症
Multiple Sclerosis:MS

という病気について、解説したいと思います。

国家試験での出題率は少ないですが、過去に出ている問題は、どれも似たものが多いです。

そのため、要点だけ押さえておけば、簡単に解ける問題ばかりですので、これを機会に、ぜひチェックしておきましょう。

<スポンサーリンク>

多発性硬化症について

ms

多発性硬化症は、原因不明の免疫異常により、中枢神経の髄鞘が破壊(脱髄)される病気です。

 髄鞘:軸索を円筒状に取り囲む絶縁体

髄鞘は、電気コードでいう外側のビニールにあたります。この部分が破けて、銅線がむき出しになると、途中で放電してしまい、信号が届かなくなります。

髄鞘は跳躍伝道の要ですので、ここが遮断されると、様々な中枢神経症状が現れます。

また、髄鞘が破れるだけではなく、その中の銅線にあたる、軸索が損傷すると重症化し、予後不良となります。

多発する症状

多発性硬化症の「多発」には、様々な症状が出現する!という意味が込められています。

 <初期にみられる症状>
 ・複視などの視力障害
 ・中枢神経病変による感覚障害
 ・筋緊張の異常(痙縮 or 弛緩)
 ・麻痺や脱力などによる歩行障害
 ・抑うつや無関心などの精神症状

<経過中にみられる症状>
 ・小脳病変による失調の出現
 ・膀胱直腸障害による排尿・排便困難

いや~、多発だけあって、症状が多いですね。覚えるのが大変だ…。

症状が多発する

ん、同じ意味じゃね?と思うかもしれませんが、こちらは、良くなったり、悪くなったりを繰り返すという意味です。

関節リウマチのように、再発と寛解を繰り返すという特徴があります。

軽い症状で、何年も経過する人もいれば、症状が進行してしまう場合もあります。

このように、多発性硬化症には、2つの意味が込められているのですね。

国家試験の出題ポイント

MS特有の症状

まずは、この病気でしか出ない、特有の症状について解説します。

Uhthoff(ウートフ)現象

体温の上昇=症状の悪化 です。

入浴や運動で体温が上昇すると、自己免疫の活性化により、あっという間に症状が悪化します。

よって、温熱療法は全般的に×になりますので、注意して下さい!

温度の目安は、平熱を下回る30度の前半です。これ以上の温度は、ウートフ現象出現のリスクになります。

Lhermitte(レルミッテ)徴候

53回の国家試験に出題されていますね。

頚部を前屈させると、背部から下肢に掛けて、下行する電撃痛が出現する徴候です。

治療というよりも、頸部の前屈を避けることが重要なため、もし、首を過度に動かすような選択肢があれば、×をつけましょう!

有痛性強直性痙攣

急に、手足に麻痺や疼痛が生じ、その後数分間、強直性の痙攣が起こります。

この症状は、脊髄の病巣が、悪さをしていると考えられています。

シャルコーの3徴候

企図振戦、断綴性(だんてつせい)言語、眼振の3つで、これらは、小脳と脳幹部の脱髄を示唆する症状になります。

<スポンサーリンク>

リハビリの介入について

運動療法の注意点

ALSと同様、高負荷、過負荷、漸増などのキーワードに注意しましょう。

ウートフ現象があるので、疲労や体温を上昇させるような運動療法は、全て×と考えましょう。

物理療法にも注意

寒冷療法は、全て大歓迎なんですが、ホットパック、マイクロ波など、温熱を利用する物理療法は、全て×とします。

また、過去問では、温水プールなども×となっているので、「熱」や「温」という字が出た場合、疑っていきましょう。

装具療法は軽めに

こちらもALSと同様の考えで、金属支柱付きの重たい装具は×ですが、軽量プラスチックの装具はOKとなります。

しかし、せっかく軽い下肢装具をつけたとしても、積極的歩行訓練!と書いてあれば、運動負荷の面で×になるので、騙されないように!

環境整備を優先

MSでは、複視や視野狭窄などの視力障害が出現しやすいので、照明やテレビの位置など、生活環境の整備を優先して考えましょう。

こちらは、患者さんが疲れたり、体温が上ったりしないので、優先的に考えてOKだと思います。

失調症状も出現

失調症状に関する国家試験対策は、こちらの記事を参照して下さい。

SCDとの違いは、視力障害がある!ことです。

よって、視覚代償を使用する、フレンケル体操は、失調に有効だとしても、MSでは適応にならないので注意しましょう!

その他の出題ポイント

MSに関して、問題に出やすいポイントのおさらいになります。

 ・30歳~40歳での発症が多い
 ・女性の罹患率は男性の2~3倍多い
 ・視力や視野の障害が出やすい
 ・増悪と寛解を繰り返す
 ・体温や疲労に十分注意する
 ・軸索が損傷すると予後不良

ちょっと多いかもしれませんが、過去問題を解きながら、徐々に身に着けていきましょう!

※イメージ図

おわりに

MSは、中枢神経の脱髄が主ですので、錐体路徴候などがしっかり頭に入っていれば、それほど難しくはありません。

また、ALSとSCDの国家試験対策をすれば、MSでも点数が取れるんじゃないかと思います。

慌てず、ゆっくりと確実に、知識を積み重ねていきましょう!

それでは、皆さんの国家試験勉強のストレスが、少しでも寛解しますように。

今日はこの辺りで、アドュー!

<スポンサーリンク>