リハビリの実習!~学生を積極的にさせる指導の工夫~

2018年8月27日

新年度早々、実習生を担当する、スーパーバイザーの皆様、こんにちは。

皆さんも、実習中に「積極性がない」と、指導を受けた経験がありませんか?

そして指導する側になった現在、学生に、そのような指導をしていませんか?

当然、学生にも個人差があり、積極的な学生もいれば、消極的な学生もいます。

リハビリの実習に来る学生の大半が、消極的になってしまう理由には、病院で医療に従事するという、非日常的なことに対する緊張もあるかと思います。

セラピスト達にも、自分達の学生時代を思い返し、大らかな気持ちで接して欲しいと思います。

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「怒られる」を悟らせない

学生にとって実習は、国家試験を受けるため、卒業するために、仕方なく来させられている状況だと思います。

本当は行きたくないけど、学校が行け!というから、渋々来ている方が多いのではないのでしょうか?

仮に、実習が単位に関係なく、

 行く or 行かない

の選択が出来るのであれば、私は間違いなく行かない!を、選択していたと思います。

しかし、現実は「行く」という選択しかありません。

当然、実習初日なんて、どこに立っていればいいのか、どのタイミングで話しかけて良いのか、全く分からない状況になります。

これは、アルバイトの初日などと一緒で、手伝いたい、役に立ちたい、だけど何から手を付けて良いのか分からない、まさに棒立ち状態と一緒ですね。

さらに、丸腰状態なのに、

「そこにいたら邪魔!」

「ここ片付けといて!」

など言われてしまったら、もう頭が真っ白!

いったい何をしたら良いのか、何をしてはいけないのか、こんな判断なんてできません。

アルバイトなら、賃金が発生しているし、嫌なら辞める、という逃げ道もあります。

しかし、実習に至っては、これから数週間という縛りがあり、かつ

 逃げる = 留年

という、プレッシャーもあります。

こんな綱渡り状態の中で、ガシガシと動ける学生がいるのでしょうか?

火中の栗を拾うことなく、できれば空気のような存在になり、トラブルに巻き込まれない行動を取るようになるのは、無理もありません。

よって、学生に「怒られるかも?」という恐怖を、如何に与えさせないか、という思いやりが、指導者側に必要なんだと思います。

学生に裁量を与えていく

理学療法のみならず、仕事においては判断力というのが求められます。

よって、学生にも、この判断力を養わせていく必要があります。

しかし、そのような訓練を積んでいない学生にとっては、

「こんなことしたら怒られる?」

という、強力なストッパーが働いているので、判断するまでに、時間が掛かるし、また自信が持てずにいるでしょう。

例えば、

「混雑してきたら車イスを折りたたんで!」

と指示を出していたとします。

当然、学生は「わかりました」と言うでしょう。

しかし、このような指示は非常に曖昧で、

混雑ってどれくらいなの?

と、混乱するでしょう。

即座に「混雑ってどのくらいですか?」と聞き返す、度胸のある学生は少数だと思います。

よってこの時点では、

「混雑の判断はキミに任せる」

という風に取れます。

しかし、実際にはセラピスト毎に言うことが違うため、

「ボサっとしていないで早く片付けろ!」

「その車イス使うから折りたたむな!」

と、真逆なことを、言われることもあるでしょう。

せっかく与えられた仕事を、一生懸命やったにも関わらず、結果怒られてしまう…。

これほど悲しい事はありませんし、もう何が正解か、分からなくなってしまいますね。

学生に任せるのであれば、責任感と同時に、決定権(自由)を与える必要があります。

積極的に行動して欲しいのであれば、自分で考え、自分で判断するという経験を積ませる意味で、裁量を与えるべきだと思います。

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学生を評価し訓練する

実習では、何をしていいのか分からず、混乱している学生に、患者さんを評価してみろと言います。

できる訳ありませんよね。

実際、自分達もできなかったクセに…。

クリニカルクラークシップのように、自分が患者さんを評価し、その頭の中や、行動を伝え、模倣させて体験させて行くやり方は、効率的だと思います。

個人的には、学生自身にも評価される事、訓練させられる事を経験して欲しいと思います。

先ほどの、車イスの片付けに関する行動を、例にしてみましょう。

リハビリ室に並んでいる車イスを、

  片付ける o r 片付けない

の選択を迫られている学生がいたとします。

  片付けることで怒られる

  片付けないことで怒られる

頭の中は1/2の葛藤があり、両者がバチバチと、喧嘩していることでしょう。

きっと、どちらが正解か、どっちが怒られる可能性が低いか、なんてことを考えることでしょう。

でも、車イスを片付けたことで、

「余計なことするな」

と怒られた場合には、100%、自分1人の責任になってしまいます。

反対に、片付けない場合には、近くにいる人、もしくは他の実習生との連帯責任に持ち込める可能性がワンチャンあります。

ん~、放っておいただけでは、学生さん達が消極的な行動しか取らなくなるのも、無理はありませんね。

こうなる前に、学生さんに指導しましょう。

まずは、1/2では確率が悪いので、それを上げるための情報集めを教えます。

出来れば2/3、3/4と、自分に有利な判断ができるようになって欲しいと思います。

最初に集める情報は、

「車イスが誰のものなのかを知る」

これが不可欠な情報なのです。

車イスを使用している患者さんが、誰なのかを知っていれば、片付けて良いのか悪いのかの判断に役に立ちます。

ということは、自分が車イスに名札が付いていないのか、という確認を怠っていたという原因が見つかります。

さらに、患者さんの名前と顔が一致していないということが、判断に至らなかったという理由になります。

これを教えられた学生は、その日から、車イスの特徴を覚えるようになり、患者さんの名前や顔を覚えるよう、努力するかもしれません。

この行動の変化こそが「積極的」な行動に、つながるのではないでしょうか?

次に集める情報は、

「患者さんのリハプログラムを知る」

ことです。

目の前にある車イスは、あの人のだ!

そろそろ、歩行訓練に移るから、片付けないでおいておこう!

あの患者さんは、臥位での訓練がメインだから、今は折りたたんでも支障ないな!

あれ?そろそろ使う車イスが、折りたたんであるな、よし、広げておこう!

こんな感じで、最初は50%だった確率が、徐々に100%に近づくことになります。

仮に、自分の判断により、気を利かせて、車イスを広げて準備した時、

「あ、広げてくれてありがとう!」

なんて言われれば、

患者さんの名前と、リハプログラムを覚えていたから成功した!という体験が、心に残るでしょう。

患者さんだって、頑張った訓練で結果が出れば、嬉しく思うはずです。

学生さんも一緒で、多くの成功体験を積ませること、それと同時に自分の成長を感じさせる工夫があってこその、積極的な行動だと思います。

学生に「積極的になれ!」というのであれば、どのような行動が積極性なのかを教えてあげましょう。

なぜ消極的になってしまうのかを評価して、それに対応してあげる、度量を兼ね揃えて頂きたいなと切に願います。

おわりに

患者さんを評価することを、生業としているクセに、学生を評価し、育てようとする実習指導が少ないように感じます。

過去に何回も書いていますが、私の実習指導に対するモチベーションは、

自分の指導力Sugeeeeeeee

の一点だけです。

なので、学生が成長しなければ自分を責めます。

学生に伝わらなければ、自分の伝え方のヘタさを悔やみます。

そんなこんなを続けていると、学生が成長した時には、自分の成長も実感出来ます。

いや~、実習指導って本当に楽しいですね。

それでは今日はこの辺りで、アドュー!

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