パーキンソン病の姿勢反射障害!プルテストの注意点と判定方法

2018年8月30日

スノーボードの購入時、後ろから、店員さんに突き飛ばされた経験がある皆様、こんばんは。

後ろから押された時、とっさに前に出た足が軸足らしいです。スノボでは、軸足を後ろにして滑るのですね。

今日は、これによく似た方法で行う、後方引き倒しテスト。通称、プルテスト(Pull test)について解説をしていきます。

これは、パーキンソン病の四大徴候である、姿勢反射障害の検査になります。

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プルテストとは

これは、パーキンソン病の統一スケールである「UPDRS」の運動機能検査に入っています。

姿勢の安定性
患者はまっすぐ立ち開眼し足は少し開いて準備する
肩を後方に勢いよく引いて後方突進現象をみる

 0 正 常

 1 後方突進あり.自分で立ち直れる

 2 姿勢反射が起きず支えなければ倒れる

 3 極めて不安定.自然にバランスを失う

 4 介助なしでは立てない

要するに、患者さんの肩に外乱刺激を加え、その後の反応を観察していくのですね。

プルテストのやり方

テスト内容は至って簡単!

後方から肩甲帯を引っ張り、後方へ、外乱刺激を加えた時の反応を診るだけです。

百聞は一見にしかず、まずは動画を観て下さい。

※動画容量:約3M

検査自体はシンプルなのですが、慣れないうちは、患者さんも検査者も、転倒の恐怖から動画のように早めに支えてしまうでしょう。

しかし、実際はその後、本当に止まれるのか、止まれないで転倒するのかを、判定します。

もしも、検査者がビビって早めに支えなければ、あと3~4歩で止まれたかもしれない。

いや、5歩以上かかるが、最終的に踏みとどまったかもしれない。

いや、やはり転ぶかもしれない…。

このような心の葛藤をする検査です。

最終的に、自力で止まれれば良いのですが、数歩進んでから、突然、尻もちを付きそうになることもあります。

プルテストの注意点

検査を行う前には、患者さんに、

・肩を後ろに引っ張ること

・倒れないよう足を後ろに出すこと

・一歩を大きく出すこと

・一歩がダメならもう1歩出すこと

・転ばないよう努力すること

これらを十分に説明し、同意を得て下さい。

デモンストレーションを何度も見せ、患者さんにも数回、練習させましょう。

もしも、体格差などの問題で、患者さんを支える自信がない場合、万が一に備えて、誰かに補助を依頼しましょう。

姿勢反射障害が強いパーキンソン病患者さんは、立ち直りが全く出ず、そのまま、棒状で転倒してきますので、

絶対に転倒させないよう気を付けること!

プルテストの判定

Hoehn-Yahrの重症度だと、姿勢反射障害を認める場合には、5段階評価の中央である、Ⅲ度に分類されます。

これは、プルテストの結果が、1~2歩で止まれず、後方へのステップが小刻みになったり、突進してしまった場合を指します。

当然、実際に転倒しかけた場合も、姿勢反射障害がある!とみなされます。

やはり、大きな一歩で止まれなければ、正常とは判断できないですよね。

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姿勢反射障害とは

姿勢反射障害が著明な方は、少しでも後方へ荷重が移動した際に、後方へふらついてしまいます。

そのため、イスなどに座る際、ドスンと尻もちを付きながら着座する方が多いですね。

そこで、パーキンソン病で特徴的な、バランス反応にも触れたいと思います。

安定性限界の狭小化

こちらも、教科書に必ず書いてあるワードです。

パーキンソン病の方は、健常者と比べて安定性限界が狭いのです。

そこで、先ほどとは変わって、今度は、骨盤を後方に引く、ゆっくりとした外乱刺激を見てみましょう。

【一般的な正常反応】
 ① 骨盤を後方へ引く刺激に対し

 ② 踵荷重になりつつ股関節は屈曲し

③ 最終的には伸展運動に切り替わる

姿勢反射障害がある方は、上記の②の反応が省略されてしまい、最初から、股関節と頸部体幹が伸展します。

これにより、骨盤を引かれると、即座に頸部、体幹、股関節が伸展し、のけ反ってしまうため、あっという間に、後方へ重心が外れてしまいます。

安定性限界が狭いというより、自らが、安定性限界を超えてしまう悪い反応ですね。

恐らく、このような悪い反応を、修正できないことが、姿勢反射障害ということなのでしょう。

姿勢反射障害のリハビリ

姿勢反射障害は、中脳レベルの障害で起こるため、リハビリだけでは、どうにもなりません。

しかし、先ほどの②の手順である、

 ・踵に荷重を移す練習

 ・股関節戦略の練習

 ・頭部を前に残す練習

これらを反復させ、成功体験を積むことで、悪い反応を起こさせる因子を、緩和させることができるかもしれません。

このような即時反応が出る方であれば、リハビリでも十分、対応できると思います。

バランス訓練は恐怖を伴うので、最初は平行棒を使ったり、後ろから支えて声掛けを行ったり、簡単な環境から始め、徐々に、課題を難しくしていきましょう。

おわりに

姿勢反射障害が出現すると、転倒が多くなるため、QOLを大きく低下させる因子といえます。

今日紹介したプルテストは、スクリーニング検査ですので、バランス能力の把握には、さらなる評価が必要でしょう。

転倒に対する対策、工夫はたくさんあります。

ぜひ、患者さんの転倒予防に、尽力して頂ければと思います。

それでは今日はこの辺りで、アドュー!

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