固縮に対するリハビリテーション!動かしやすい筋を提供する

2018年9月3日

臨床で、パーキンソン病患者さんを担当されている、PT・OTの皆様、こんばんは。

本日のテーマは、パーキンソン病の固縮です。

固縮という筋緊張異常は、初めて触る方でも、きっとすぐに理解できる、シンプルな現象です。

まずは、固縮の特徴を知って頂き、動かしやすい筋を提供するための、介入方法などをお伝えしていきます。

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固縮について

固縮(こしゅく)とは、パーキンソン病関連疾患でみられる、筋緊張の亢進を指します。

固縮がある患者さんの筋は、弾力が失われ、まるで硬くなったゴムのように伸びなくなります。

当然、運動の阻害因子になりますので、固縮の特徴を知り、その対応策を、理解しましょう。

出現する順番

パーキンソン病は、右足の動きづらさ、左手の振戦など、四肢のいずれかから、発症することが多いとされています。

図のように、下肢から発症すれば、同側の上肢、対側の下肢、対側の上肢といったように、Nを描くように進行していきます。

そのため、固縮が、四肢のどこにあるのかを把握しておけば、進行の目安になるということですね。

固縮の検査方法

筋の緊張ですので、筋を指で押した時に感じる、筋の張り(弾力)とは別になります。

あくまで、被動性検査で行われる、他動運動時の抵抗感になります。

※筋緊張検査はこちら

しかし、パーキンソン病患者さんは、脱力が苦手なので、筋緊張検査では、ある程度、筋活動が混ざっていることを、予め理解しておきましょう。

鉛管様固縮について

読み方は、えんかんよう固縮になります。

他動運動では、持続的な抵抗を感じます。

鉛管様固縮は、頸部、体幹、四肢近位筋に多くみられ、関節を曲げる時も、伸ばす時も、どちらも一定の抵抗感が続く、分かりやすい徴候です。

患者さん自身も「鉛が張り付いているみたい」と表現されますので、検査する時には、頭に鉛の棒をイメージしながら、やってみて下さい。

歯車様固縮について

続いては、歯車様(はぐるまよう)固縮です。

他動運動では「カクカクッ」という、断続的な抵抗感があります。

これは、手指や手関節など、末梢部に見られやすいとされています。

一般的には、脳血管性パーキンソニズムや、筋緊張が高い人ほど、みられやすい徴候だそうです。

う~ん、経験上では、一貫性がないように感じるんですけどね…。

いずれにせよ、この2種類の抵抗感があった場合、固縮あり!と判断していきます。

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固縮のリハビリテーション

固縮がある場合、常にブレーキを掛けた状態で、運動をしているようなものです。

そのため、その影響をできるだけ少なくすることが、リハビリテーションに求められます。

それでは、その内容をみてみましょう。

ストレッチによる調整

まずは、ストレッチです。

硬くなった筋、動かさなくなった筋、どちらも伸張性を再獲得する必要があります。

ストレッチで期待する効果は、

 ・筋の粘弾性を向上させる

 ・脱力できるようになる

この2つになります。

持続的伸張をすると、アクチン線維と、ミオシン線維の滑走性が促され、筋線維そのものがほぐれてきます。

また、患者さんは力を抜いているつもりでも、きちんと脱力できていないので、

ストレッチの途中に、筋を揉みながら、

「ここの力を抜きましょう!」

と、力の抜き方を教えてあげると、効果的です。

運動による筋の使用

たくさん使うことで、筋の粘弾性は向上します。

さらに、徒手抵抗運動などで、大きい動きをさせると効果的です。

この時、もっと大きく!とか、もっと強く!などと、声掛けをして、できるだけMAXパワーを引き出させると良いでしょう。

筋を意図的に収縮させ、負荷を掛けることで、しっかり収縮することに、慣れさせていきます。

その方が、力を発揮できる方向、タイミングを把握し、運動療法に取り入れていきましょう。

介入の前後で評価する

ストレッチや、抵抗運動をしただけでは、どのような効果があるのか実感できません。

介入したら、運動範囲や、動作の速度など、向上した部分を拾い上げましょう。

これは姿勢などからも判断できます。

パーキンソン病の方が背臥位を取ると、床と身体が隙間だらけですが、ストレッチ後に隙間が減り、接地面積が増えているのであれば、脱力ができるようになった!と判断できますね。

介入後は、起居動作や歩行を再評価し、リハビリの効果を裏付けしておきましょう。

自主訓練の活用

比較的、固縮はリハビリの介入効果が、高いと感じています。

そのため、定期的にリハビリを受けられない環境の人であれば、自主訓練に取り込んでいきましょう。家族の協力を得て自宅でストレッチをするのも手ですね。

さすがにセラピストと同じ効果は期待できませんが、廃用を予防したり、意欲を出させたりすることができるでしょう。

ぜひ、その方の能力に合わせた、自主訓練のプログラムを、処方してあげて下さい。

おわりに

固縮は、パーキンソン病の四大徴候のひとつです。だから、出現するのが当たり前です。

PT・OTに求められることは、固縮の影響が少なくなるよう、筋の状態をコントロールし、姿勢や動作を維持させることだと思います。

筋緊張検査で固縮があった、だから問題だ!と、一方的な評価にならないよう注意しましょう。

それでは今日はこの辺りで、アドュー!

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