パーキンソン病の四大徴候!無動と寡動の違いとリハビリテーション

2018年8月30日

臨床で、パーキンソン病患者さんと関わることの多い、セラピストの皆様、こんばんは。

パーキンソン病の四大徴候ですが、

  振戦 ⇒ わかる

  固縮 ⇒ わかる

  姿勢反射障害 ⇒ まぁわかる

  無動 ⇒ はっ?

って感じで、一番イメージのつきにくい現象ではないでしょうか。

そこで今日は、無動と寡動の違いと、その評価方法などを、解説していきたいと思います。

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無動とは?

無動は、錐体外路の中核である、大脳基底核の障害により起こる徴候です。

無動と表現するのは、

 ・動きの開始が遅れる

 ・動きが全般的に遅くなる

 ・動きが小さくなる

 ・動きが全く無くなる

このような現象になります。

無動が出現すると、スローモーションのように、動作が遅くなったり、小銭をつまむなどの、細かい動作ができなくなります。

大脳基底核の役割

大脳基底核は、とても複雑です。

講義を受けたり、文献を読んでみましたが、チンプンカンプン状態です。

個人的に、大脳基底核の役割を表現すると、

 運動をしても良い

という、「許可を出す」中枢なんじゃないかと、考えております。

また反対に、

 安静にしてても良い

という許可も、大脳基底核が出していると、思っています。 ※個人的な表現です。

きっと、このルールが崩れることで、

 ・動きたいのに動けない

 ・止まっていたいのに動いちゃう

というジレンマに、陥っているのですね。

無動の影響

大脳基底核に届けられるドーパミンは、重要な神経伝達物質です。

このドーパミンが不足することで、錐体外路系が誤作動し、必要な動作を抑制したり、不要な動作が助長されたりします。

これにより、

 動かなくても良い

という許可が下りず、振戦が出ます。

 力を抜いても良い

という許可が下りないため、固縮が出現し、

 バランスを取っても良い

という許可が下りず、姿勢反射障害により、バランスが悪くなります。

う~ん、無動という徴候は、様々な障害を引き起こす、とても厄介な因子といえますね。

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無動と寡動の違い

この2つは、文献などを確認しても、しっかりと線引きされておりません。

また、動作緩慢という言葉も相まって、混乱しやすくなっていることと思います。

同じ意味として使っていても、問題ありませんが、しっかり分けて使いたい、スッキリしたいという方のため、言葉の意味を考えてみました。

「寡」という漢字は、寡黙の「寡」です。

 寡黙:言葉数が少ない

口数は少ないが、決して、ゼロではない。

よって寡動は、動きが少なかったり、小さかったり、動き始めが、遅い場合を指します。

では、「無」はどうなるのでしょうか。

 無言:なにも話さない

言葉、発話が全く無い

ということは、無動は、動きが無くて、動作が膠着している状態になりますね。

しかし、無口(言葉が少ない)と捉えた場合には、寡黙と同じ意味になるんですよね。

結果、「無」という言葉を、どのように捉えるのかで、解釈が変わってくるのですね。

このブログでは「無動」で、統一して行きたいと思います。

無動の評価方法

実は、これができないと無動である!という基準はありません。

評価者が、無動あり!と判断すればあるし、ない!と判断すれば、それまでです。

UPDRSにもありますが、顔の表情が無い、回内回外の反復運動が小さいなど、いくつかの現象を掛け合わせて、無動の有無を把握していきます。

それでは、無動の特徴を解説したいと思います。

重力の影響を評価

無動が強く出現している方は、重力が脅威となります。

そのため、

臥位 > 座位 > 立位 で、動作が苦手です。

立位では、頭頂と両肩に、重力が掛かりますが、座位だと、大腿部にも掛かります。さらに臥位だと、重力を全身で受けるため、動きが出しづらくなってしまうのですね。

立位や座位での動きだけではなく、臥位での動作にも目を向けましょう。

安定性の影響を評価

ポジショニングも重要で、あえて不安定な座位、臥位を提供することもあります。

無動が強い人は、深夜に寝返りを全く打たないので、夜中のトイレに起き上がるのに難渋します。

よって、病棟ベッドを枕やバスタオルで凸凹を作るなど工夫し、動きやすい環境づくりも行ってあげましょう。

 ・ソファから立てない

 ・ベッドから起き上がれない

これらの症状は、重力に対抗する「床反力」が奪われ、無動に負けることで起こる症状です!

リズムに合わせられる?

パーキンソン病の方は、動きがスローモーションになってしまうため、何とかしようと、試行錯誤します。

その1つに、あえて動きを小さくしていることが考えられます。

例えば、ラジオ体操では、4拍のリズムに合わせて運動を行います。

腕を前から180°挙げて、内転運動で戻る場合に、1、2、3、4!では間に合わないので、腕を小さく動かすことで、近道します。

この場合には、腕を大きく動かす必要性を、鏡などを見させながら、一緒に確認してあげましょう。

また、無動の検査の1つである、タッピングテストというものでは、母指と示指でOKサインを高速で何回も作らせます。

ゆっくりなリズムでは運動が大きいが、 徐々に速度を上げていくと、リズムに合わせようと指の動きを小さくして、対応してきます。

このような方には、

リズムに遅れても良いから大きく!

これを、口酸っぱく指導してあげる必要があります。

書字障害の有無を確認

パーキンソン病の方の主訴に「字が書きづらい」というものが多く挙がります。

この徴候に対しては小字症(しょうじしょう)というネーミングが付けられております。

皆さんも実習中、高速でメモを取る時に筆記体のようになったり、なんとか速く書くために小さく書いたりしませんでしたか?

要するに、速度が出ず、また手指~前腕の動きが出ないため、字を小さくすることで、近道しているのではないかと考えております。

無動のリハビリテーション

無動は、ガソリンが切れた車と一緒なので、直接、介入で改善させることは難しいです。

では、リハビリにおいては、どのような関わりが可能なのでしょうか?

 

答えは、無動を増強させている因子を、少しでも取り払うことだと思います

【固縮への対応策】
 固縮が強くて動きがより遅い
 → 柔らかい筋肉をつくる

 疲労すると動きが遅くなる
 → 疲れない体づくり

 心理的な影響で動けない
 → 成功体験により自信をつけさせる

 複雑な運動だと止まってしまう
 → 簡単な動作から慣れさせる

無動症状を確認した時、どうしたら症状が軽くなるのか?試行錯誤してみて下さい。

これといった正解はありません、目の前で無動症状が変化したら、きっとそれが正解です!

おわりに

実際に臨床でパーキンソン病の方を多く触れないと、無動という症状は、捉えにくいと思います。

口で「無動がある」というのは、とても簡単な反面、この方の「無動を説明して」と質問されると困ってしまいます。

パーキンソン病は、神経内科で観る疾患ですが、整形外科、脳外科、循環器科、呼吸器科でも関わることが多いと思われます。

また国試でも、必ず出題される疾患になっておりますので、これを機に無動・寡動について、少しでも理解を深めて頂ければ幸いです!

それでは今日はこの辺りで、アドュー!

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