リハビリ 転倒リスクの評価!安静度を決定する2つの項目

2018年8月30日

子供の夏休により、せっかくの休日でも、ゆっくり休めないという、パパさん・ママさんセラピストの皆様、こんにちは。

患者さんのADLや移動を考えた時、

「転倒リスク」を考えたがことない!

というセラピストはいませんよね。

この評価は、患者さんのケガにつながる、重要な項目ですので、誰しもが責任を持って取り掛かっていると思います。

そこで今日は、対象となる患者さんが、病棟でどのような管理をされているの?という安静度のお話と、転倒リスクの評価方法を、お伝えしていきます。

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安静度とは

安静度とは、健康状態を守るために、患者さんの活動に対し、制限を設けることです。

例えば、脳卒中の急性期などでは、ギャッチUPは45°まで!といった、シビアな安静度に設定し、病状が悪化しないように管理します。

回復期や維持期の病棟では、室内のみフリー歩行とか、棟外へは車椅子送迎などといった感じで、活動範囲に対しても設定されていきます。

安静度が高い(制限が多い)
・ベッド上での安静

・リハビリはベッド上のみ

・入浴不可のため清拭のみ など…。

安静度が低い(制限が少ない)
・車いすへの移乗のみ見守り

・棟外への移動には付き添いをする

・リハビリの時間を伝える など…。

このように、様々なリスクを抱えている人ほど、高い安静度で管理されることになります。

安静度の決定

安静度の決定方法や手順は、各病院や施設毎によって、まちまちです。

一般的には、移動やADL動作に関する安静度の評価は、PTやOTが担うことが多いはずです。

そのため、主治医や病棟スタッフから、安静度についての相談や依頼が、リハビリスタッフに届きます。

内容のほとんどは、

 移乗は見守りでいいの?

 1人で歩かせていいの?

このような、質問形式が多いです。

評価後にセラピストが、

 はい、見守りで大丈夫ですよ!

 1人で歩かせていいですよ!

と太鼓判を押すと、大抵はその通りの安静度になります。

しかし、過去に転倒や転落の経験がある方だと、そう簡単に決定できません。

もしも、評価に自信がない場合、

「転倒リスクがあるので、介助ありで!」

と、保身のために、安静度を高く設定してしまうことになります。

う~ん、患者さんのADLを上げるためのリハビリなのに、逆に下げてしまう可能性があります。

やはり、正しい安静度の決定には、転倒を含む、リスクの評価が必須ということですね。

安静度の変更

患者さんの健康状態の回復によって、安静度は低くなっていきます。当然、リハビリにより、動作能力が向上した場合も同様です。

<制限が減ってくる>
・ベッドUp 30° → 45° → 90°

・安静臥位のみ → 端坐位 → 立位

<介助量が減ってくる>
・全介助 → 最大介助 → 中等度介助

・軽介助 → 声掛け → 見守り

反対に、一度決定した安静度であっても、その他の問題がでてくれば、制限を増やしたりすることもあります。

入院時の初期評価と、数週間後の中間評価では、安静度も変わっているでしょう。

安静度については、適宜評価をしていき、主治医や病棟スタッフと再検討して下さい。

このような行動を重ねると、他部署のスタッフから、移動のことは、あの人に聞こう!と、信頼されるようになりますよ。

安静度の管理

せっかく安静度を決定しても、守れなければ意味がありません。

一般的には、

・詰所に一覧表を用意する

・看護カルテに記載しておく

など、個人情報として扱われています。

もしかしたら、患者さんの同意を得て、ベッド周囲に掲示するケースもあるのかもしれません。

1番やってはいけないのは、リハビリスタッフが、安静度を把握していないことです。

例えば、リハビリ終了後に、部屋のベッドに寝かせた後、センサーマットの電源を入れないで離れてしまった。その後、1人で立ち上がってしまった患者さんが、転倒してケガをしてしまった!

これは、最悪のパターンです。

安静度の説明は、患者さんにもされているはずです。しかし、忘れてしまう方や、上手に説明できない方もいますので、全スタッフが、患者さんの安静度を把握し、事故防止に努めて欲しいと思います。

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転倒リスクの評価

転びたくて転んでいる患者さんはいません。

誰だって、雨で滑ったり、段差につまづいたりして、転んでしまった経験があると思います。

どんなに注意していても、転ぶ可能性は0にはできないのです。

だから、転倒リスクに関する評価に、苦手意識を持つ必要はありません。

そこで、私が転倒リスクに関して、必ず評価している、2つの項目を紹介してみたいと思います。

日常の移動範囲を確認

まず、患者さんが朝起きてから、消灯時間になるまで、どのような場所に、どのような方法で行くのかを把握します。

この情報がなければ、評価は始まりません。

といっても、特別なスキルが必要な訳ではないです。本人から聞けば分かるし、カルテや病棟スタッフ、同室者の患者さんから情報をもらうことだって可能です。

次に、その場所へ一緒に移動します。

例えば、エレベーターに乗るのであれば、降りる人に配慮して横にずれるとか、エレベーター内で方向転換しながらボタンを操作するなど、評価できることは何でもやらせます。

もしも、エレベーターの乗り降り、操作などに問題がなければ、ここには用はありません!次の場所に行きます。

このように、各環境ごとに、ちゃんと対応しているのかを確認することも、安全な移動の評価に入るといえます。

物を置いて狭くなった廊下を歩く

・財布を持ちながら売店まで行く

・トイレの中で歩行器で方向転換できる

考えられるもの、全てを評価してなければ、

「大丈夫、転倒しません!」

なんて判断はできません。

病院内であれば、患者さんの行動範囲を把握し、あらゆる場面で試して下さい。

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転倒する姿をイメージする

患者さんの移動や動作を、ただ横で眺めているだけでは、評価と呼べません。

そこで、2つ目の項目では、外乱刺激を使ったバランス検査のように、患者さんにストレスを掛けていきます。

歩行であれば、まず、その方が転倒する姿をイメージして下さい。

・膝が折れてしまい両膝をついた

・曲がり角で壁にぶつかり尻もちをついた

・つま先が引っかかって両手をついた

皆さんには、

 どのような未来が見えましたか?

 どのような転倒の仕方でしたか?

もしも、転倒するイメージが、沸いてしまったのであれば、それを検証しなくてはいけません。

実際に、その通りになるのかやってみます。

まず、検証するためには、介助ベルトなど使用し、転倒を予防できる環境を作ります。

その後は、膝が折れやすい状態で荷重させてみたり、早歩きをさせてみたり、わざと転倒しかけるように仕向けます。

膝が折れても、踏ん張れるかもしれません。

段差につまづいても、ステップしながら踏みとどまるかもしれません。

このように、ストレスを掛けながら、先程イメージした転倒と、実際の反応を比べて下さい。

このような検証を繰り返し、患者さんが転倒するイメージが、全く思い浮かばない状態になれば、

「1人で歩かせていいですよ!」

と言えるようになると思います。

繰り返しますが、当然、転倒させないよう、万全な状態で行いますからね。

実習生や、小柄なセラピストであれば、他の人に協力してもらい、ヒヤリハットしないようにしましょう!

おわりに

今回、紹介した評価方法でも、完璧に転倒リスクを把握する事は不可能です。

1週間、2週間と、患者さんの動作や、歩行を観察していく中で気づけるような、細かい点もあります。

また、患者さんによっては、介助が申し訳ないからと、こっそり1人で歩いてしまう人もいます。

残念ですが、転倒に対する認識が低く、勝手に移動して転んでしまう人もいます。

評価が上手く繁栄されないこともありますが、せめて目の前で確認できることを、見落とさないようにしましょう。

色々、試行錯誤してみて下さい。

それでは今日はこの辺りで、アドュー!

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