ソファでの立ち上がり動作!~事前の準備と評価方法~

2018年7月14日

動作分析を進める中で、分厚くて大きい壁を感じてしまう皆様、こんにちは。

動作分析が、途中で止まってしまう原因の1つに、動作が始まる前の条件を無視してしまっていることが挙げられます。

できる動作を、あえて難しく考えていませんか?患者さんの能力を、低く見積もっていませんか?

ちょっと立ち上がり動作を例にして、一緒に確かめてみましょう。

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ソファからの立ち上がり

訓練室での立ち上がり動作が上達しても、柔らかいソファ、低いイスなどでは、全く立てないという方もいます。要するに起居動作は、生活環境に依存しやすい動作ということなんですね。

ADLを向上させるのであれば、自宅環境で発揮できなければ、全く意味がありません。

それでは、立ち上がり動作で、最も困難だと思われる、ソファからの立ち上がりに着目して、分析を進めてみたいと思います。

立てないということは、立ち上がり動作を分析して、その原因や改善する方法を解明しようと評価を開始することになります。

そこで動作分析を開始する前に、必ず準備して欲しい項目についてお話していきたいと思います。

動作分析の進め方

もしも、ソファで立ち上がれない!という、主訴をお持ちの方がいたのであれば、同じ高さのイスや、プラットフォームでやらせてみましょう。

その条件で、全く立ち上がれなかったのであれば、座面がフカフカだろうが、固めだろうが立てないということになります。

最早、ソファという単語はあまり関係なく、

 なぜ立てないのか?

がターゲットになります。

その後、座面を補高したことで、すんなり立てるのであれば、

 なぜ低い座面だと立てないのか?

にターゲットが変わります。

たった1つの工程を足すだけで、やるべき事が狭まった感じがしますね。

さらに、ソファから浅く腰掛けるのを手伝ったところ、1人で立ち上がれたとすれば、

 なぜ1人で浅く腰掛けられないの?

が最終ターゲットになります。

動作分析に入るのであれば、まずは、どの条件ならソファから立ち上がれるの?というのを、徹底的に試してみることをおすすめします。

いざり動作について

ソファに深く腰掛けたまま、一気に立ち上がれる人はいません。

きっと皆さんだって、浅く腰掛けたり、手でPush upしたりと、事前の予備動作をしていると思います。

それでは、浅く腰掛けるための、いざり動作について、複数のパターンを観てみましょう。

反動を使う

急激な体幹と股関節の屈曲運動により、臀部を前方に移動させるパターンです。

この場合、ソファが滑りにくい素材であれば、摩擦が邪魔をして難易度が上ってしまいます。そのため、皮革タイプのソファなら、とても効果的な方法といえます。

背中で押す

先程とは反対に、体幹を伸展させるパターンになります。

背もたれを、背中で押すことで、臀部が前に移動できるのですね。この方法も、滑りやすい素材の方がやりやすいですが、勢い余って転落することもありますので、注意が必要です。

上肢を使う

ひじ掛けや、据え置きの手摺りなどがあれば、上肢を使うことで、浅く腰掛けることが可能になります。

引っ張る事で、強引に臀部を前にずり出しても良いし、Push up気味に臀部を浮かせて移動することもできます。

さらに、左右に身体を振って、お尻歩きのように、右、左、右、左と少しずつ前に出すのも、いいかもしれませんね。

ソファの形や、その場の環境を使って、どのような、いざり動作が可能なのかを評価しておきましょう。

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能力に合わせた訓練へ

使用しているソファの、高さ、柔らかさ、素材、ひじ掛けの有無と併せて、その方の能力によって、訓練内容は変化します。

いざり動作ができない場合

色々なパターンを試したが、やっぱりいざり動作により、浅く腰掛けることができない場合、ソファを使う生活は厳しいかもしれません。

どうしてもソファを使いたいのであれば、据え置き式の手摺りを設置する方法があります。その場合、縦置きが良いのか、横置きが良いのか、それとも2台設置するのか、最善の方法を評価してあげましょう。

もしくはソファの位置を変えて、壁に頑丈なL字の手摺りをつけるのも手です。

できない!ことを評価するのは、もう沢山です。どうやったら、現実的な立ち上がりができるのか?これを考えていきたいものですね。

いざり動作ができる場合

いざり動作はできるけど、そこからどうやっても立てない場合、一度床に降りて、四つ這いから立ち上がりをするのもありですね。

ソファから立てないのなら、ソファから立たないで、床から立てばいいのです。エネルギー効率は悪いですが、1人で立ちたいのであれば、あえて遠回りする方法も試す価値ありですよ!

おわりに

「できるADL」と「しているADL」に差が生まれるのは、物的環境の違いが大きな要因となります。

起居動作では、特に家具の素材に左右されやすいので、動作分析に入る前に、家屋の状況をしつこく情報収集しておきましょう。

動作で悩んだあげく、家の環境とは全く違うことをしていた…、なんて失敗もあります。

リハ室での動きだけに捉われず、病棟、自宅の動作を想定できるよう、立ち上がり動作1つをとっても、広い視野で分析できるよう、練習を重ねて頂ければと思います。

それでは今日はこの辺りで、アドュー!

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