立ち直り反応の評価方法!正しい声掛けと誘導が重要

2018年8月30日

患者さんの反応が上手く出せず、立ち直り反応の検査に苦戦しているという皆様、こんばんは。

バランスという言葉は多岐に渡って使用されるため、もう一言、二言で説明できない状態になっています。

 あの人バランス悪いね!

と言われていてもセラピスト間での受け取り方も違うし、診る場所、評価するポイントもまちまちです。

そこで今日は、臨床で使える、立ち直り反応の評価方法を、お伝えしてみたいと思います。

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立ち直り反応の評価

バランス能力には平衡反応傾斜反応立ち直り反応などがあり、どれも似たような反応を頭にイメージしてしまい区別が付きづらいワードばかりですね。

色々調べてみましたが、様々な見解がありハッキリと明確な境界線を引くことは難しいと感じました。

一言では説明できないので、実際の検査方法などを説明しながらイメージして頂けると良いと思います。

まず立ち直り反応の検査では、検査者の頭の中に思い浮かべる「立ち直り反応」が出るか、または出ないかということが重要になってきます。

そこで検査でよく見かける失敗や、それを修正する方法などを考えてみましょう。

上手くいかない原因

私の職場でも後輩セラピストや実習生達が、毎日必死に立ち直り反応を評価しています。

それを横目に指示、誘導、検査前の練習が圧倒的に不足しているなぁ…と感じています。

そして以下のような失敗例をよく見かけます。

「私が傾けるので耐えて下さい」と伝えたら、全身に力を入れて耐えてしまう

「首と身体を傾けて下さい」と伝えたのに、思った方向とは逆に傾いてしまった

これは検査者が出したい反応が、患者さんに全く伝わっていないことが原因です。

患者さんは何も悪くありません。

むしろ言われたことを頭で考え、一生懸命実践してくれたといえます。

またもう1つの原因としては、そもそもどんな反応を出して欲しいのか、検査者がイメージ出来ていないことが挙げられます。

例えば私がイメージする立ち直り反応は、骨盤の傾きに対し、鼻筋(スジ)を床面に垂直に保ち、肩甲帯が水平になっている姿勢になります。

それはちげーよと言われても、観たい反応はコレなので、ネーミングが違かったとしてもそれはそれでOK!と開き直っております。

立ち直り反応の説明

それでは検査を開始する前に、まず自分がどのような動き(反応)を観たいのかを伝える作業から始めます。

ここでは先ほど言った通り、鼻筋を真っ直ぐに保つことが出来るといった反応に焦点を当てていきます。

まず患者さんへの指示として以下の事を伝えます。

 頭の上に本が乗っていると思って下さい!

 本が落ちないようにバランスを取って下さい!

これで大概の患者さんは、どのようなバランスを取ればよいのか理解してくれます。

立ち直り反応の誘導

次に、肩甲帯の動きを説明します。

まず両手を左右に目一杯広げさせて、床面と一直線の平行をキープさせます。

そして、患者さんの手を水平方向に引っ張りながら、

 この手が下がらないようして!

と言って、強制的に荷重を移動させます。

この誘導と先ほどの説明があれば、頸椎や胸椎を側弯させ、荷重移動と反対に全身を立ち直らせる反応が出てくれます。

もしも、座位で立ち直り反応の検査をするのであれば、骨盤の誘導をしなくてはいけません。

仮に、右側に傾けるのであれば、

 左のお尻の下に手が入るように浮かせて!

 右のお尻だけに体重を掛けて下さい!

といった練習をして、どのような動きをするのかをイメージさせましょう。

「ん?検査なのに練習していいの?」

と思う人もいるかと思いますが、これは反射ではなく反応を診る検査です。

反射であれば患者さんが出す or 出さないのコントロールはできません。

しかし反応だと、その動きをする or しないは患者さん次第で変わってきます。

患者さんの気分で出す方法やタイミングが変化しますので、練習によって患者さんとの意思疎通ができなければ、立ち直り反応の検査は成立しないのです。

よって口頭指示と誘導による反復練習により、

 オッケー!そうやって欲しいのね!

と患者さんに思わせてから検査をすれば、きっと正確な立ち直り反応が検査できると思いますよ!

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立ち直り反応の検査意義

私の場合は、立ち直り反応だけを、単独で評価することはあまりしません。

動作の中で、立ち直り反応が、ちゃんと組み込まれているかを評価します。

例えば、リーチ動作や歩行中などで骨盤の傾きを観察した際に、頭部の位置や脊柱のアライメントを確認し、必要な時に立ち直り反応が出せているのかを評価しています。

実は、立ち直り反応の必要性は、個人差が大きいのです。

身体の柔らかい子供や女性では、稀に腰椎の可動域だけで骨盤を制御できる方がいます。

その場合には極端に荷重を移動させ、過剰に骨盤を傾斜させるような特別な誘導がないと、頸部、体幹の立ち直りは起こりません。

要するに患者さんが「必要だ!」と思わなければ反応は出ません。

だって、立ち直り反応を出さなくても、バランスが取れるのであれば問題ないのですから。

もしも、その方が必要だ!と思っているにも関わらず、関節可動域や筋力の関係で立ち直り反応が出せないのであれば、その原因となっている機能面を問題点としていきます。

まぁ、基本的には立ち直り反応は、誰もが持ち合わせている反応なので、

 どうして反応が出せないの?

というよりも、

 どうやったら反応が出せるの?

といった視点で検査して頂けると良いのではないでしょうか。

おわりに

いかがでした?

きっと、複雑過ぎて、頭が混乱した方もいるんじゃないでしょうか。

それほど、立ち直り反応の捉え方は、人によって大きく違うということなのでしょう。

よく、右に傾いたものを、左へ側屈させて立ち直る現象に対し、

 右へ立ち直る?

 左への立ち直り?

など、意見が分かれることがあります。

私はどちらも正解だと思います。

そもそも立ち直りとは、正常な姿勢に戻ろう!という反応なので、左右や前後といった言葉はあまり考えなくてよいかと思います。

「ようやく失恋の傷から立ち直ったよ」

「え?右に?それとも左?」

こんな会話が成立しないのと一緒ですね。

今回、お伝えした立ち直り反応については、かなり私見が混じっていることと思います。

もしかしたら「傾斜反応を使って立ち直る」と書いた方が正解だったかもしれません。

恐らく万人に納得して頂ける答えは無いと思いますので、色々な人を評価しながら、自分自身が納得できる立ち直り反応に辿り着いて頂ければと思います。

それでは今日はこの辺りで、アドュー!

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