姿勢制御とは?バランス能力を姿勢から分析する

2018年8月30日

同期との飲み会が、この上ない楽しみだぜ!
という新人セラピストの皆様、こんばんは。

我々は、普段、姿勢制御によって、座位や立位姿勢を保持しています。

  ん? 姿勢制御?

初めて聞く言葉かもしれませんが、このメカニズムを知っておくと、姿勢やバランスの評価に幅が出てくるので、ぜひ覚えて欲しいと思います。

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姿勢制御とは

人間は、脳の発達に合わせて、頭を大きく変化させてきました。その中で、姿勢制御を獲得し、

 四つ足 ⇒ 二足歩行

と、進化しています。

姿勢制御に関しては、私も完全に理解している訳ではなく、ヒヨっ子のレベルです。

その中で、評価に使いやすいよう、できるだけ簡単に伝えていければと思っています。

それでは、最初に姿勢制御の全貌について、図で説明していきます。

まずは、静的と動的に分けます。

この2つの違いを知るだけでも、役に立つかと思いますが、今日は、そこから、さらに踏み込んでみます。

静的姿勢制御について

まず、静的姿勢制御は、2つに分けて考えます。

定位(ていい)

これは、床面や座面などの環境に対し、適切な身体の位置を、調整することです。

例えば、坂道に立つとき、自然と山側に荷重を掛けて立ちます。

ソファに腰掛ける際には、骨盤を後傾して座りますが、背もたれが付いていないイスに腰掛ける場合には、骨盤を起こして良い座位姿勢になります。

環境に適した骨格アライメントを、構築する能力が定位になります。

 ・環境を感じとる体性感覚

 ・環境を把握する認知能力

 ・環境に合わせ関節可動域

など、どのような能力を持ち合わせているのか評価していきましょう。

 定位=目に見えるもの

平衡

そして、もう1つの静的姿勢制御は、支持基底面内に、重心を保持するため、身体の位置を調整する平衡があります。

例えば、立位姿勢で、重心が後方へ外れる際、脊柱よりも前に付いている筋肉が活動し、安定性限界を超える前に制御します。

重心が右に偏れば、右下肢で踏ん張り、床反力で重心を戻します。その前に身体を左に傾けたてバランスを取るかもしれません。

これは、重心の移動を感じ取る、

体性感覚迷路系の働き、

それに応答する、

筋力筋瞬発力があってこそ可能です。

人間は、完全な静止姿勢が取れないため、例え、座位であったとしても小さく動いています。

そして、重心が安定性限界を外れないよう、無意識に身体をコントロールすることで、平衡を維持します。

でも残念ながら、平衡に関する詳細な評価は、重心動揺計などでしかできないのですね。

 平衡=目に見えないもの

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動的姿勢制御

続いて、動的姿勢制御になります。

実は、私の方でネーミングしました。

このワードが適切かは判りませんが、簡単に説明するため、静的に対抗した、動的といった言葉を選択しました。

予測的姿勢制御

意識しているか、していないかの判断は、微妙なところではありますが、人間には、これから行う動作に対する、準備(フィードフォワード)が身体の中で行われます。

例えば、バンザイをしようとした時、肩関節屈筋群よりも先に、腰背部の起立筋群が活動し、土台を作ってくれます。

また「これから身体を後ろ押すよ!」と言われれば、グっと力を込めて、荷重を前に移すはずです。

飲食業でのアルバイト経験がある方なら、分かるかと思いますが、トレーに乗せたグラスを取る際、トレーの傾きに注意しなければ、残ったグラスが落ちてしまいます。

このような、予測的姿勢制御も、姿勢の評価には必要になってきます。

今の姿勢を保持するため、支持基底面や安定性限界から、重心が外れないような、調整ができるのかを、評価していきましょう。

 予測的姿勢制御=重心が外れる前

代償的姿勢制御

これは、主に外乱などの負荷に対する応答になります。

不意の外乱刺激だったり、予測的姿勢制御では、対処できない場合に起こる現象になります。

重心の動きを察知(フィードバック)し、

 このままじゃ重心が安定性限界を超える!

こんな時、早めの対処が可能か?

 重心が安定性限界を超えた、どうすっか!

こんな時、外れた重心を、どう対応をするのか?

これが、評価対象になります。

 外れた重心を何とか力で戻す

 支持基底面を移す・広げる

このような反応を指します。

これは、平衡とは違い、完全に意識していて、かつ目に見える反応になります。

反応とは反射と違い、

 出す or 出さない

は、対象者が決定します。必要なら出すし、必要がないなら出さない。もしかしたら、わざとゆっくり出すかもしれません。

評価の際には、股関節や足関節戦略(ストラテジー)など、自分が観たい反応や、そのタイミングを患者さんに指示しましょう。

評価する環境をしっかりと設定しないと、患者さんの反応は気まぐれになり、混乱してしまいますよ。

また、閉眼立位、閉脚立位、タンデム肢位などの課題により、姿勢保持に負荷を掛けることでより分かり易い反応が評価可能になります。ぜひ試してみて頂ければと思います。

 代償的姿勢制御

 ⇒ 既に重心が外れている
     もしくは、
 ⇒ 外れることが決定している

姿勢制御の評価方法

静的姿勢制御の評価

静的姿勢制御の評価は、対象者が、環境に応じて、姿勢を変化させられるか?を対象とします。

だからと言って、近くで姿勢を観察しているだけではダメですよ。

ソファでの座位、硬い床での背臥位、坂道での立位など、色々な環境を与えて、変化する関節や骨の配列、ランドマークの位置関係などを確認します。

姿勢の評価が苦手だ…、と思っている方!

恐らく、1つの姿勢から、1つの定位だけを、一生懸命、確認しているだけではありませんか?

もしも、その通りであれば、得られる情報が少な過ぎます。さらに、その結果を、どう処理してよいのか分からないので、きっと評価は行き詰まるでしょう。

また、円背などの変形により、定位能力が低下しているからといって、重心動揺が大きいかという訳ではありません。

反対に定位能力が高くても、平衡が低下している場合もあります。

定位と合わせて平衡を評価出来れば、きっと姿勢観察、姿勢分析に幅が出てくるはずです。

動的姿勢制御の評価

この能力を評価するのであれば、外乱刺激に対する反応をみることになります。

予測的姿勢制御を評価するのであれば、ゆっくりとした外乱で、重心が外れる前の反応をみます。

座位の患者さんを、後方へゆっくりと押し倒した時、倒れそうになってから、慌てて手を出すのでは、遅い!と判断できます。

実際は、もっと早い段階で、頸部を屈曲させる、腹筋を活動させておく、などの対応ができるはずです。

動的姿勢制御の場合には、実際に重心を外さなければ、その反応が出ませんので、大きいかつ素早い外乱刺激を与えます。

外れる前から、それを察知しているか、やはり反応が遅くて、リスキーな対処をしているのか、刺激の方向や大きさを変えながら、見極めていきましょう!

おわりに

さて、姿勢制御を掘り下げたことで、姿勢とバランスの関係が、少しみえてきましたね。

私も、学生時代に「なんの為に姿勢をみるの?」と、思っておりました。現在は、姿勢制御を取り込むことで、臨床での評価に姿勢の評価は大切!と、思えるようになりました。

現在、頸部中間位、胸椎後弯位、骨盤中間位、股関節中間位…、こんな姿勢評価の記載をしている方は、

「姿勢から何が知りたいのか」

をよく考えて、頂きたいと思います。

ちょっと難しかったかもしれませんが、姿勢制御は、絶対に役立つ項目だと思いますので、めげずに理解を深めて下さいませ!

それでは今日はこの辺りで、アドュー!

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