ロッカーファンクションから学ぶ!歩行中の足関節の運動と筋活動

2018年9月5日

歩行観察で足関節を観る時は、患者さんを裸足で歩かせる!という皆様、こんばんは。

足関節のトラブルは、歩行中の身体の傾きや、ぎこちなさなど、あらゆる要素に絡んできます。

歩行は地面を歩くのですから、やはり足部の観察は重要ですよね。

そこで今日は、歩行中の足関節の役割について、理解を深めていきましょう。

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足関節の運動について

立脚相で観察される、足関節を中心とした転がり運動には、3つのロッカーファンクションというものがあります。

ここには、関節運動に関する、運動学の要素がたくさん詰まっていますので、まずは、ここから確認していきましょう。

ロッカーファンクション

ヒールロッカー

まず1つめのロッカーファンクションは、ヒールロッカーになります。

初期接地が、踵から地面に着く場合、床反力の衝撃を受け流すために、足関節が底屈運動をします。

底屈運動といっても、ガストロが活動するのではなく、重力と床からの衝撃で、足関節を軸に回転するのですね。

その回転を止めなくては、足底接地でまた床から衝撃を受けることになりますので、動きを制御するために、前脛骨筋がブレーキを掛けます。

そのため、下腿は少し起き上がり、足関節は大きく底屈運動することになります。

ヒールロッカーのまとめ
出現する相 踵接地 → 足底接地
関節運動 足関節の底屈
筋活動 前脛骨筋の遠心性収縮

アンクルロッカー

ヒールロッカーから、アンクルロッカーに切り替わるの時は、少しややこしい話になります。

関節運動は足関節の背屈になりますが、足部は床面に固定されていますので、動くのは下腿になります。

足部の底屈運動が、床で止まった衝撃により、下腿は急激に前傾運動を開始します。

この時、前方へ倒れないよう、ヒラメ筋がブレーキを掛けてくれています。

 背屈運動なのに、足部は動いていない

 背屈運動なのに、底屈筋が働いている

う~ん、わけわからん!

アンクルロッカーのまとめ
出現する相 足底接地 → 立脚後期
関節運動 足関節の背屈(足部固定)
筋活動 ヒラメ筋の遠心性収縮

フォアフットロッカー

最後のロッカーファンクションは、前足部で起こる、フォアフットロッカーです。

背伸びをする時のように、踵を浮かせると、下の図のように中足指節関節が動きます。

これは、下腿の前傾運動を、腓腹筋が急ブレーキを掛けることで、踵が浮き上がったのですね。

足関節は、そのまま底屈運動に切り替わり、前足部を中心に動き続けます。

フォアフットロッカーのまとめ
出現する相 立脚後期 → 踵離地
関節運動 足趾の背屈(足趾固定)
筋活動 腓腹筋の求心性収縮

以上が、3つのロッカーファンクションになります。

1つずつ考えるのではなく、3つの転がり運動が連続することで、推進力を殺さない、効率の良い歩行を可能にしていると考えましょう。

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足関節の機能と異常歩行

足関節の機能障害といえば、ROM制限、筋力低下、痛みなどが思い浮かびます。

どれも、歩行分析の問題点に挙がる可能性がありますね。

それでは、具体的にどのような異常歩行になるのか、一緒に頭に思い浮かべてみましょう。

筋力低下によるもの

足関節の筋力低下では、圧倒的に前脛骨筋のトラブルが多いです。

背屈位で保持できないため、ドロップフットを呈したり、足底接地でブレーキができず、足音が大きくなったりします。

この場合、前者の、ドロップフットが大きな問題となります。なぜなら、足関節が底屈した分、足を高く挙げる代償が出ますし、立脚後期の股関節伸展運動も小さくなります。

詳細なメカニズムは、こちらから!

そのため、見た目も悪くなるし、エネルギー効率も低下します。

このような現象が出ている人は、筋力訓練だけでの対応が難しいケースが多いため、装具などで固定し、歩きやすさを追い求めてあげましょう。

可動域低下によるもの

続いて、足関節の拘縮や、筋の短縮による、足関節の可動域低下に移ります。

ROM制限により引き起こされる、異常な歩行は2つあります。

1つ目は、立脚中期~後期にかけての、膝の過伸展です。

正常な歩行では、アンクルロッカーによる下腿の前傾運動と一緒に、膝関節は軽度屈曲していきます。

しかし、その運動が制限されてしまうと、膝を過伸展させて代償するようになるのですね。

この現象は、脳卒中片麻痺の方などにみられる、膝折れに対するロッキングとは異なります。

そして2つ目は、骨盤の後方回旋になります。

背屈制限があると、立脚後期で股関節を、十分に伸展させることができません。その分、骨盤を後ろに引いて少しでもそれを補っているのですね。

歩く度に骨盤が強引に回旋するので、当然、腰椎や股関節に大きな負担が掛かります。

腰痛や股関節痛の原因は、足関節にあった!なんてケースも珍しくありません。足関節にROM制限がある場合には、立脚後期での骨盤回旋に注目してみましょう。

痛みによるもの

最後に、足関節の運動時に、痛みがあるケースになります。

基本的に、股関節の伸展が減少したり、膝を過伸展するなど、ROM制限と重複する部分が多いです。

また、痛みがある側の股関節を外旋させ、足角を拡大させることで、背屈をしないような代償が出現することが多いです。

イメージ的には、スキーブーツを履いた時の歩き方ですね。

あと当然、荷重量を減らした立脚相の短縮が起こり、跛行が出現します。そのため、純粋なROM制限とは区別しやすいですね。

おわりに

さて、ロッカーファンクションから始まり、足関節の役割から、異常歩行への関与について解説してみました。

足関節の重要性を、お分かり頂けたと思います。やはり、何事も土台が重要ですね。

もし機会があれば、矢状面からの歩行観察では、足関節の運動に着目してみて下さい。もしかしたら、欲しい答えが眠っているかもしれませんね。

それでは皆さんの歩行分析が捗りますように!

今日はこの辺りで、アドュー!

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