代償動作に対するリハビリテーション!評価方法と対処の違い

2018年8月30日

患者さんの動作観察で、代償動作を見つけて、少し嬉しくなってしまう皆様、こんばんは。

学生時代には、代償動作は悪だ!というような、教えを受けた記憶があります。

臨床の場面でも、代償動作には気を配りますが、それは患者さんの能力ということで、ポジティブに受け取るようにしています。

そこで今日は、動作で見られた代償動作の捉え方と、その評価方法をお伝えします。

<スポンサーリンク>

代償動作について

代償動作とは

代償動作とは、何かを補うため、別の方法を用いて対応する動作になります。

 ・つま先が上らないのでつまづく
 ⇒ 股関節を過剰に屈曲する

 ・歩行で足が前に出ない
 ⇒ 体幹を伸展させ足を振り出す

 ・麻痺により口に手が届かない
 ⇒ 身体を倒して口を手に近づける

人間は、このように、できない動作を遂行するために試行錯誤します。

エネルギー効率や、格好良さを犠牲にしますので、まさに代償を払っているということですね。

代償動作はなぜ起こる?

足首を捻挫すると跛行が出るので、誰もが同じような歩き方になります。

歩きながら、

「あれ?こうしたら歩けるんじゃね?」

と、痛みの少ない歩き方を覚えていきます。

その結果、立脚期が短縮した、ぎこちない歩容が生まれることになります。

よって、代償動作は、誰かが方法を教えている訳ではなく、患者さん自身が、必死に編み出した必殺技といえますね。

代償動作は悪いこと?

脳卒中片麻痺患者さんの、代表的な歩容といえば、麻痺側下肢のぶん回しです。

これは、非麻痺側に荷重を移し、体幹を使って遠心力を生み出すことで、麻痺側の下肢を、何とか振り出す方法です。

ハッキリ言って、見た目は悪いです。

でも、車椅子や歩行器を使わず、杖と装具だけで歩けるのですから、人間の対応能力を褒めるべきですよね。 う~ん、素晴らしい!

こんな時、PTがしゃしゃり出てきて、

 歩き方が問題です!  原因は麻痺です!

と指摘するのって、お節介ですよね?

確かに、問題は脳卒中による麻痺です。

でもこれは、医師も看護師も知っており、患者さんの方が良く知っている障害になります。

そんなことよりも、ぶん回された麻痺側の足が、少しでも意図するところに着地するためには、どうしたら良いのか考えて下さい。

麻痺側への荷重はどこまで可能なのか、しっかり評価して下さい。

非麻痺側の能力で、カバーできることを増やすため、良いプログラムを考えて下さい。

代償動作を指摘するよりも、患者さんの最大能力を引き出すために、あれやこれやと試行錯誤するべきだと思います。

<スポンサーリンク>

代償動作の評価と対処

まず、代償動作を観察したら、

  ・なぜ代償しているのか?

  ・何を代償しているのか?

  ・代償しないとどうなるのか?

といった点を、評価していきます。

そこで出た答えから、その代償動作への対処方法を決定していきます。

それでは、その分類を紹介していきます。

やむを得ない代償動作

骨折後や人工関節を置換した直後、当然、痛みや恐怖に対する防衛反応がでてきます。

荷重を掛けずに歩いている人に、

「悪いクセが付く」

と、正しい歩容に矯正するセラピストはいません…、恐らく…。

このようなケースは、PTが邪魔さえしなければ、特に問題は起きません。

また、肩が挙がらない人が、棚の物を取る時、腰椎を伸展させたり、つま先立ちになったりする場合も同じです。

生活する上で、仕方がない代償動作を、無理に矯正するメリットはありません。

肩が挙がらない原因と、つま先立ちでバランスを崩さないか、合わせて評価しておきます。

修正すべきでない代償動作

進行性の疾患などでは、リハビリで動作が改善する!というのは難しいです。

筋ジストロフィーの方が、登攀性起立になるのも仕方ありません。

脊髄小脳変性症の方が、ワイドベースで歩行するのも然りです。

例え動作指導により、無理やりに矯正したとしても、きっと、リハビリ以外では代償動作をやり続けるでしょう。

機能改善が難しいケースでは、、あえて代償動作を指導したり、上手く付き合っていく方向に、切り替えることも必要だと思います。

修正するべき代償動作

これは回復期の片麻痺など、まだ改善の期待ができる方に対しては、悪いパターンが固定しないよう、修正する必要があります。

よって、好ましくない代償動作は、

 ・能力を有しながら代償動作を優先している

 ・代償動作をすることでデメリットが大きい

この2つといえるでしょう。

患者さんによっては、楽な方を優先し、代償動作に頼りきってしまう人もいます。

改善の可能性があるのであれば、毅然とした態度で、代償動作を修正していきましょう。

おわりに

長年やってきたクセなどもあるかと思いますが、出来るけど不良パターンで動作がインプットされている場合や、現在の代償動作を続けることで、変形や疼痛など二次的な障害が出るなどの場合には、当然代償動作を許すべきではありません。

繰り返しになりますが、

 なぜ代償しているのか?

 何を代償しているのか?

 代償しないとどうなるのか?

をしっかり評価・分析し、何が問題点なのか!を捉えると、代償動作に対する考え方も変わって来るかと思います。

まずは、代償動作を悪いことと決めつけず、事実を並べることで向き合って頂ければと思います。

それでは今日はこの辺りで、アドュー!

<スポンサーリンク>