相反抑制と自己抑制を使ってストレッチ!なぜ筋が柔らかくなるの?

2018年9月3日

職場研修を終えて、無事、新人セラピストとして臨床の場に立った皆様、こんばんは。

さっそく先輩セラピストに付き添い、患者さんの治療や、訓練などのお手伝いを始めている方もいるかと思います。

今日は、大半の方が最初にマスターするであろう、

 ROM-ex ストレッチ

について、2つの特徴と、効果などをお話してみたいと思います。

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関節可動域訓練

セラピストとして、患者さんの関節を動かさない人はいません。

中には、関節が固まってしまったり、筋が伸びなくなり、運動が起こせない方もいます。

それでは、関節可動域の訓練について、2つに分類してみましょう。

ROM-exとは

人間の関節には、それぞれ固有の運動方向、運動範囲が存在しています。

関節は動く、動かされることを生業としているので、何らかのトラブルにより関節が不動になることで、拘縮が起こってしまいます。

もしも、この動きを阻害する因子が、関節包やその周囲の結合組織であれば、ROM-exをします。

[Range of motion exercise]
関節運動を他動で行うことで、関節本来の動き維持、もしくは改善う手技である。

5~10回を目途に、各関節を、しっかり、きっちり動かして、関節可動域の改善を目指します。

ROM-exの効果

関節は骨、軟骨、滑膜、関節包や靭帯などで構成されており、関節をまたぐように、腱や筋、皮下組織と皮膚で構成されております。

よって、関節を動かすことは、これらの滑走性を維持し、かつ栄養や酸素の供給、老廃物の循環を促進させるといった、仕組みになっています。

そのため、麻痺などで関節が動かせない方に対し、早期からROM-exを行い、組織の伸張性を維持することが、望ましいのですね。

ストレッチについて

ストレッチのターゲットは、筋を伸張させることです。単純に、筋の起始部と停止部を、離すような動きになります。

効果は、筋の短縮の予防、または、短縮した筋に対する、伸張性の改善があります。

それでは、どのようなストレッチがあるのか、1つずつみてみましょう。

相反抑制によるストレッチ

例えば肘をしっかりと曲げようとする際、上腕二頭筋などの肘関節屈筋群が働きます。

この動きを阻害しないよう、拮抗筋である上腕三頭筋群は勝手に緩みます。

このように、脊髄レベルで、お互いが気持ちよく動けるよう調整されるメカニズムが、

相反抑制(Ⅰa抑制とも呼ばれる)になります。

この仕組みを上手に使うことで、とあるストレッチが可能になります。

もしも、肘屈曲の主動作筋の、上腕二頭筋に抵抗を掛けて運動させたとします。

そうすると、

上腕二頭筋の筋紡錘に巻き付いている、Ⅰa感覚線維が脊髄に指令を出します。

セラピストが掛けた抵抗は、上腕三頭筋のせいにされ、その結果、脊髄の中で運動神経の興奮が、抑制されてしまうのです。

これは、抵抗を掛けた等張性収縮を、ある程度行うことでしか、効果が得られません。

負荷が軽かったり、等尺性収縮では、ストレッチの効果が出ませんので、注意しましょう!

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自己抑制によるストレッチ

人間の筋や腱には、ぶちっ!っと切れないために、防衛機構が存在しています。

伸張反射や自己抑制(Ⅰb抑制)が、それにあたります。

筋肉が収縮した時、抵抗を掛けて関節運動を止めた場合、等尺性収縮になります。

※先ほどは等張性収縮です!

MMTでいう、上腕二頭筋の検査方法を思い浮かべて下さい。

肘関節屈曲位で固定したところで、検査者におもっくそに引っ張られます。負けじと上腕二頭筋が収縮をして、抵抗と拮抗することになります。

この時、上腕二頭筋の起始と、停止の距離には変化がないのに、上腕二頭筋は、さらに短くなろうとします。

筋は短くなるのに、起始部と停止部が縮まらない…。ということは、ここで1番辛くなってしまうのが、「腱」になります。

引っ張られて、ストレスMAXですね。

耐えかねた腱は

「おい、そろそろ力を緩めろや!」

と筋肉に圧力を掛けてきます。

セラピストが掛けた抵抗は、上腕二頭筋のせいにされ、先程と同様に、脊髄の中で運動神経の興奮が、抑制されてしまうのです。

その結果、力を抜いた後は、上腕二頭筋は抑制状態になります。

これが、自己抑制のメカニズムになります。

この辺りの知識が曖昧だという方は下記の記事を参考にして頂ければと思います。

PNFストレッチや、ホールドリラックスなどと呼ばれるこのストレッチですが、最大収縮を如何に出させるかがポイントです!

声掛けで、シャウト効果を引き出しましょう!

おわりに

我々の職業は、20分間、ROM-exやストレッチをしているだけでも、診療報酬が得られます。

免許さえあれば、例え、患者さんが改善しなくても、罰せられることのない職業なんですね。

だからといって、

 とりあえずROM-ex

 とりあえずストレッチ

を繰り返すだけの、へなちょこPTにならないで下さいね。しっかり、生理学的な反応を評価しつつ、患者さんの機能改善に、努めて頂きたいと思います。

皆さんのハンドリングが、1日でも早く向上しますように!

今日はこの辺りで、アドュー!

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