実習の最終関門!症例報告を無事に乗り切る発表方法

2018年9月3日

実習時は髪を黒く染めるつもりだけど、今は限りなく金に近い茶髪学生の皆様、おはようございます。

過酷で、長いリハビリの実習で、最後の難関ともいえる、レジュメを用いた症例報告。

本番は、ガチガチに緊張して、カミカミになってしまい、練習よりも早口になったり、時間オーバーしたりで、グダグダな発表をしてしまった!という方も、多いのではないでしょうか。

元々、文字数に対して、制限時間に無理があるんですよね、レジュメ発表って。

そこで今日は、伝わりやすいく、かつ時間内に発表できる方法を、お伝えしてみようかと思います。

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症例報告とは

臨床実習では、担当した患者さんの全体像を、A4×2枚程度にまとめ、セラピストの前で発表するという課題があります。

発表時間は10分程度、質疑応答もあります。

呼び方は、症例発表、レジュメ発表、サマリー報告など、養成校や実習先によって変わります。

実施回数はまちまちで、メインケースとサブケースで、それぞれ1回ずつやる場合もありますし、初期評価と最終評価で発表することもあります。

最近では、学校から指定があったとしても、臨床を優先させるために、報告をさせない施設もあります。

症例報告の注意点

セラピストが学生の発表に参加することは、完全に業務外のことになります。

残業代は出ないのに、わざわざ時間を取って学生さんの発表を聞くために集まるのは、好意によるものだと始めに伝えておきたいと思います。

ではせっかく聴きに来てくれたセラピストの方達に、自分が実習でやってきた集大成を披露する時間になりました。

できれば、しっかり伝えて、色々な方のアドバイスを受けて帰りたいものです。

では、注意して欲しい2つの事を書きます。

時間を厳守すること

一般的なレジュメは、A3用紙にびっしり4,000字ほどあり、発表時間は10分間。

単純計算で、6~7字/1秒で話さないと間に合いません。これは、スピーチなどで良いとされる速度の、約1,5倍になります。

もし、発表時間が10分であれば、9分30秒~10分30秒で収めるのが、一般的なルールです。

しかし、私は絶対に10分以内を守らせます。

集まってくれるセラピストの中には、終わった後に自分の仕事に戻る方や、家族を待たせている方がいます。

そんな中、練習不足により、時間オーバーするというのは、心象がよくありません。せっかく集まってくれている方達に敬意を表し、絶対に時間を守りましょう。

もう1度言います、10分以内に収まったらいいね!ではなく、10分以内に収めましょう!

ご参照下さいの使い方

例えば、症例は60歳代の男性で職業は会社員、身長と体重は以下の通りとなっております。

こんな感じで、一目で分かるような項目であれば、使っても構わないと思ます。

しかし、

 問題点はご参照下さい!

 リハビリプログラムもご参照下さい!

こんな発表は止めて下さい。

なぜなら…

 こんな大きな表を目で追えNeee-YO!

 どう参照して欲しいのか解からNeee-YO!

 参照している間に進めてんじゃNeee-YO!

となってしまうんですね。

作成した本人や、内容を把握しているバイザーならまだしも、発表を聴いている側としては、とてもじゃないけど間に合いません。

また「ご参照下さい」で済む程度の情報なら、最初から載せなくても良いんじゃね?となりますので、このセリフは控えるように努めて下さい。

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伝わりやすい症例発表

時間を守れ!でもご参照下さいを使うな!と言われたら、超早口で発表するという選択肢を取る学生がおります。

しかし、早口で捲し立てても、感情が無いので耳に入ってきません。

棒読みされた文章は全く頭に残らないので、この選択は間違いなんですよね。

では、省略して読むしかないんじゃね?ということになりますが、ばっさり切り捨てるのではなく、項目ごとに端的に伝えるのです。

この項目には、こんな情報が書いてあります!といった、要約をすることが必要なのです。

それでは、架空の症例を設定し、発表方法のポイントを解説していきます。

はじめに

何事も最初が肝心です。

これから、何について、どんなことをしたのか、最初に宣言していきます。

発表者
発表者
それでは、発表を始めさせて頂きます。

本症例は、経過〇年目の右視床出血後遺症で、麻痺と感覚鈍麻を呈する、女性患者さんになります。

今回は、〇〇に着目し、評価および、治療プログラムの実施を行う機会を得たため、ここに報告させて頂きます。

こんな感じで省略せずに、全て読み上げていきましょう。

そしてこの時に、声の大きさ、話す速度、抑揚などの感覚をつかんでしまいましょう。

症例紹介

ひと呼吸おいてから、症例紹介に移ります。

発表者
発表者
続いて、一般情報です。

氏名はA氏、70歳代、女性で、身長と体重、BMIは以下の通りです。

主訴は、左足に力が入らない、感覚が鈍いことで、Hopeは、1人でトイレまで歩いて行きたい、となっております。

医学的情報は、診断名が脳出血(右視床)後遺症、合併症は高血圧、既往歴は以下の通りとなっております。

現病歴は〇年発症後、A病院で入院・加療。〇月にリハビリ目的でB病院へ転院され、〇月に自宅復帰となっています。

今回、家族の介護力低下により在宅継続困難となり、当施設へ入居となっています。

社会的情報は、高齢の夫と2人暮らし、近くに長男夫婦が居住しており関係は良好とのこと。

要介護度は3で、キーパーソンは長男さんとなっておます。

 

発表者
発表者
続いて、他部門情報です。

主治医より、血圧に関してリハビリを行う際の中止基準を確認しております。

看護師情報では、食事は毎回自力で全量摂取され、他患とのトラブルもなし、夜間もよく休まれているとの情報が得られております。

ゆっくり読んでも、ここまで1分30秒程度です。

ここまでは、症例のことを理解してもらうことが優先されます。

情報を詰め込み過ぎるとボヤけてしまうので、上記した必要最低限のことを流れるように伝えられると良いかと思います。

もちろんスポットを当てたい部分があれば、そこを厚めにするなどの調整を行う必要があります。

こんな患者さんです、こんな環境にいる方です、をアピール出来るよう自分で文字数を調節してみて下さい。

理学療法評価

この項目は長いので、機能面 → 動作面 → ADL面といった構成にして、途中で休憩できるポイントを作っておくとよいでしょう。

発表者
発表者
理学療法評価に移ります。

第一印象は、身なりの整った小柄の女性、リハビリに対し意欲的で、コミュニケーションは良好。

意識は清明で、バイタルサインは以下の通りです。

ROM -tでは制限を認めず、筋緊張検査では左優位に上下肢で痙縮を認め、片麻痺機能検査では上下肢に共同パターンが残存。

感覚は、左側に鈍麻を認めております。

立位姿勢では荷重が右へ偏倚し、左への荷重移動は、Passive とActive の両方で困難となっており、左側へのステップ反応による制動が出来ず、バランス能力が低下しております。

このように、各項目で言いたいこと、注目すべき点のみ先に説明してしまえば良いと思います。

DTRが亢進していた、病的反射が出現していた、たくさん記載しても伝えたい部分は決まっていますので、そこだけ抜き取ってしまいましょう。

さて、機能面の説明が終わったら、次は動作面に進んで行きます。

寝返り、起き上がり、立ち上がり、歩行などの自立やパターンなどをはじめ、その他特記すべき点を簡単に説明します。

後々、問題点に挙がる機能低下、現象が出現している動作は当然しっかり強調して伝える必要がありますので、テーマに沿って割合を調整して下さい。

この時点で4分程度を目安に時間を調整しましょう。

統合と解釈

この項目は、全文読み上げるべきです。

理学療法評価で伝え切れなかった補足も交え、ここがこの方にとっての問題点なんだ!と強調する山場になるからなんですね。

統合と解釈については、こちらの過去記事を参考にして頂ければと思います。

統合と解釈終了時点で、6分経過を目安に、調整してみて下さい。

問題点抽出

#1:麻痺による左上下肢の随意性低下

#2:左側優位の筋緊張亢進

#3:左足底圧覚の鈍麻 

~ #23:低血糖症状の…

 

 

いつまで続くねんっ!

とまぁ、全部読み上げる人がいますが、とても退屈ですので辞めて下さい。

統合と解釈でしっかり問題点の分析が終わっているので、さらーっと流して繋げていきましょう。

発表者
発表者
続いて、問題点抽出です。

機能面では左優位の痙性麻痺と筋緊張亢進、深部感覚の低下により随意的な運動が困難となっており、立位時、歩行時において左荷重移量を低下させておりました。

また股関節屈曲外転の共同パターン出現により軽度の左ぶん回しの歩容と、左前型で歩幅が狭いことにより、歩行での疲労が増大し耐久性を低下させていることが問題点に挙がりました。

ちょっと適当に並べてみました。

しかし、このように1つの文として説明することで、機能面と活動面が、結びつきやすいのではないかと勝手に考えております。

これこれが、この動作のここに関係しているんですよ!といった説明になるようにしましょう。

ゴール設定

STGとLTGはそのまま全文読み上げましょう。

ここでは必ず期限を記載し発表していきます。

最後の質疑応答で質問が飛んでくる割合が高い項目ですので、なぜその期間なのかを事前に説明しておくとよいかと思われます。

ゴールの設定方法はこちら

プログラムの立案

先ほど挙げた問題点と合わせて、どんな効果、反応を期待して行うのかを明確にすると良いでしょう。

発表者
発表者
プログラムに移ります。

痙縮筋に対し、筋緊張を抑制するための持続的ストレッチング

随意性向上を目的とした、共同パターンを抑制しながらの自動介助運動

平行棒内での左荷重移動練習で、視覚フィードバックを用いて荷重感覚の入力

これらでゴールを目指したいと思います。

こんな感じになると思いますが、実は統合と解釈と問題点抽出、ゴール設定がビシっと決まっていれば、プログラムの詳細はもっと簡単で済むことになります。

なぜそのアプローチを選んだのかが明確になっているため、ただ単純に説明するだけで済みます。

ん~、やっぱり問題点抽出・ゴール設定・リハビリプログラムの発表は、統合と解釈の出来によりますね。

統合と解釈を書かないレポートやレジュメの場合には、その分の時間をこの3つに割り振って頂ければ良いかと思います。

考察

最後の山場に進みました、発表終了までもう少しです!頑張りましょう。

当然最後の考察も全文読みます。考察の書き方については下記の過去記事をご確認下さい。

まず考察を読み上げる時間を計算します。

そして発表時間からその分を引いた時間が、経過を読み上げた時間以下であれば良いということになります。

発表時間10分 - 考察2分 = 8分で経過までを発表する

そして考察は短縮バージョンを用意しておくと良いでしょう。もしも経過を言い終わった時点で8分30秒が経過していた際の保険になります。

 2段落目から開始します

 3行下に移ります

などと言って、飛ばせる場所を予め決めておき、いざという時に時間を調整できるポイントを用意しておきましょう。

逆に、順調過ぎて、7分45秒だったとしたら、最後に、

発表者
発表者
今回の症例を通して〇〇の事を学ばして頂きました。

ご協力して頂いた症例様、セラピストの先生各位に厚く御礼申し上げます。

と謝辞を述べて、

発表者
発表者
以上で発表を終わります。

ご清聴、ありがとうございました

ピピッ、ピピッ、ピピッ!っと、ここでタイマーがなるように微調整する「決め台詞」を用意しておくと、ビシっと決まるのではないでしょうか!

質疑応答について

あと、もう1つの難関が残っていましたね!

セラピストの中には、重箱の隅を突っつくのが好きな人もいるでしょう。

もう、やり直しができない部分を、叱責する人もいるでしょう。

そんな厳しい状況においても、落ち着いて対応出来るよう、ペンと紙を用意して、質問内容を殴り書きします。

複数の質問に「あれ?どんな質問でしたっけ?」と聞き返さなくて済むよう、必ず書き留めることをお薦めします。

また、どのような質問が来ても、

発表者
発表者
ご質問、ありがとうございます。

と、最初に言いましょう。

この2つのルーティンを行うことで、わずかばかりですが、落ち着いて対応できると思います。

学校のグループワーク発表で練習しておくと、本番でも、さらっと言えるようになるかもしれません。

ぜひ、やってみて下さいな。

おわりに

症例発表を短くまとめる方法の記事なのに、長文でダラダラと書いてしまいました。

実際の実習中は、レポートやレジュメの作成に大幅な時間とエネルギーが取られてしまうため、発表の練習は疎かになりがちです。

ですので過去に自分が作ったレジュメを見直しながら、いまから家で発表の練習をしてはいかがでしょうか?

セラピストになっても症例発表はついて回ります。

理学療法協会の新人教育プログラムにも入っていますので、頑張って身に着けて頂ければと思います。

それでは皆さんの症例発表が無事に終われますように!

今日はこの辺りで、アドュー!

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