PT・OT国家試験対策!~第2弾 筋萎縮性側索硬化症~

リハビリ職を目指し、現在国家試験勉強を頑張っている学生の皆様こんにちは。

神経筋疾患における国家試験対策の第2弾は、筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis:ALS)をお送りしたいと思います。
アミトロなどと軽い感じで略されるこの病気ですが、とてつもなく進行が速く数年で臥床状態となってしまう難病です。近年ドラマやアイスバケツチャレンジなどで注目されたのも、記憶に新しいかと思います。
前回のパーキンソン病と比べて国試での出題頻度は少ないですが、球症状や上位や下位運動ニューロンの症状を把握できる良い機会ですので、一緒に確認していきましょう。

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ALSとは


als-01

上位および下位の運動ニューロンの変性により、筋萎縮と筋力低下、錐体路徴候を主症状とする他に、舌や筋に線維束攣縮を認める進行変性疾患である。

中高年以後の男性に多く罹患率は女性の2倍となってる。発症後3~5年で約半数の患者が臥床状態となり要人工呼吸器となるケースも増えて来る。進行と共に嚥下や構音機能が低下するため、末期に向けコミュニケーション手段を確保する必要がある。しかし知能障害・感覚障害・失語症は認めないとされている。

 

上位運動ニューロン障害による症状

大脳皮質一次運動野の神経細胞から脊髄前角細胞にシナプス形成するまでの中枢神経が上位運動ニューロンであり、その皮質~脊髄までの経路を錐体路(皮質脊髄路)と呼ぶ。また大脳皮質から橋および延髄の脳神経核までの経路は皮質延髄路となり、この経路も上位運動ニューロンである。ここまでの経路に、出血や梗塞などの何らかの障害が出ることで、錐体路徴候が出現する。

皮質脊髄路の障害

下位運動ニューロンの抑制を担う上位運動ニューロンが指令できなくなるため、様々な暴走行為が身体に出現する。

 筋緊張亢進

 痙性麻痺

 腱反射亢進

 病的反射の出現

皮質延髄路の障害

各脳神経核までの経路が障害されると、それぞれの支配領域に上記と同様な症状が現れる。

 仮性球麻痺

 咽頭反射亢進

 下顎反射亢進

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下位運動ニューロン障害による症状

中枢からの指令は、前角細胞にシナプスを乗り換え、上肢や下肢など各筋まで指令を届ける。この経路を形成する末梢神経が下位運動ニューロンである。ヘルニアや狭窄などの絞扼性や機械的ダメージなどでこの経路が障害されると、中枢からの指令を効果器に伝えることが出来ないため、上位運動ニューロン障害とは異なる症状が出現する。

 筋緊張低下

 弛緩性麻痺

 腱反射減弱および消失

 線維束攣縮(ピクツキ)

球麻痺の出現

球麻痺は延髄に神経核を持つ舌因神経核、迷走神経核、舌下神経核以下の末梢神経障害で出現する症状です。

延髄はその形から英語でBulb(バルブ)=電球とされており、舌や口、咽頭や口頭に障害が起こることで、構音や飲み込みに関する能力が低下することを、総称して球症状(きゅうしょうじょう)と呼びます。よってALSではこの球症状から発症したり、構音や嚥下機能低下が急速に進行してしまうものをBulbar(バルバー)タイプと分類しています。

仮性球麻痺との違いは、下位運動ニューロンの障害のため、舌の萎縮やピクつき、下顎反射および咽頭反射の低下・消失が起こります。また発話では、嗄声や開鼻声が起こりるため、コミュニケーションのために代替え機器などの検討が必要になります。

嗄 声(させい)

声帯がしっかりと閉じないため、声がかすれる、息が漏れたような力弱い話声になってしまう

開鼻声(かいびせい)

鼻から息が漏れてしまうため「か」が「んが」、「す」が「ぬ」のように聞こえてしまう

※これらの構音障害は非常に聞き取りづらい発声になってしまうため、患者さんのQOLを著しく低下させる要因です。

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国試で覚えておきたいポイント

上位 / 下位運動ニューロンの進行性変性

50歳以後の男性に多い

筋萎縮と筋力低下、錐体路徴候が主症状

筋委縮は遠位部から始まる

舌や筋に線維束攣縮を認める

発症後3~5年で要人工呼吸器となる

末期に向けコミュニケーション手段を確保

知能障害・暴行直腸障害・失語症は認めない

ALSの陰性4徴候

 1)感覚障害 

 2)膀胱-直腸障害 

 3)褥瘡 

 4)眼球運動障害

【注 意!】

この4つの徴候は、ALSではみられない症状とされているので覚えておきましょう。国家試験は5択なので、これに何か1つ足した問題が出るかもしれません。

ただし!!

原発性で出現しないだけで、二次性(廃用)では出現することもありますので、あくまで国家試験に向けた考え方になります。

問題の傾向を掴む

 患者の負担になる選択肢は✖

※高負荷、抵抗、漸増などのワードに注意しましょう

進行状態に合わせた訓練を選択

※診断直後にコミュニケーション機器の導入や、末期の方に筋力訓練などの選択肢には注意しましょう

有益なものは導入していく 

※自助具や下肢装具、バランサーなどは、前後の問題文を読み進行状態を考えて余程早すぎる場合、遅すぎる場合を除いて導入していきましょう。

おわりに

ついつい長くなってしまいますので、恐らく共通問題(1点問題)でしか出ないだろう重症度分類などは割愛します。お分かり頂けた通り、ALSは強く障害される場所によって、中枢性、末梢性の症状が出るという病気になります。まぁきっと解剖学や神経内科学が得意な方であれば、国家試験に出るALSの問題はそれほど難しくはないと思われます。

最初にも書きましたが、ALSを通して中枢神経と末梢神経の違いや、神経経路などを再確認、再学習する程度の気持ちで勉強して頂ければと思います。

それでは皆さんの平均点が1点でも多く上がりますように。

今日はこの辺りで、アドュー!

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